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遺言と異なる遺産分割を希望する場合の実務上の留意点|宇都宮市の行政書士が解説

2026 4/26
遺言 相続
遺言と異なる遺産分割を希望する場合の実務上の留意点|宇都宮市の行政書士が解説|Kanade行政書士事務所

遺言書がある場合でも、相続人全員が合意していれば、遺言内容と異なる方法で遺産を分けることができます。ただし、実務ではいくつかの重要な注意点があり、準備を誤ると思わぬトラブルにつながることもあります。

この記事では、遺言と異なる遺産分割を希望する場合に事前に確認しておくべきポイントを整理します。

📚 関連:遺言書があっても遺産分割協議は必要?ケース別に解説

目次

遺言と異なる遺産分割は可能なのか?

遺言と異なる遺産分割は可能かの図

民法では、遺言よりも「相続人全員の合意」が優先されます。このため、相続人全員が納得していれば、遺言とは違う内容で遺産を分けても問題ありません。

大切な前提

  • 相続人全員の同意が絶対条件
  • 一人でも反対すれば成立しない
  • 相続人が一人でも欠ければ協議自体が無効となる

まずは「誰が相続人か」を正確に把握することが基本になります。

最も重要なのは「相続人を正確に確定すること」

相続人の正確な確定の図

遺産分割協議は、相続人全員の参加がなければ法的に成立しません。そのため、次の戸籍類を収集して相続関係を確定させます。

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍
  • 相続人全員の現在戸籍
  • 養子縁組・認知の有無
  • 非嫡出子・代襲相続の可能性
  • 過去の婚姻歴による子の有無

家族の認識と戸籍の記録が異なるケースもあるため、戸籍の収集・確認は慎重に行う必要があります。

遺言と異なる分割を行う「理由」の整理も大切

異なる分割を選ぶ理由図

遺言の内容と異なる遺産分割を希望する背景には、さまざまな事情があります。

  • 財産内容が遺言作成時と変わっている
  • 相続人の生活状況が大きく変わった
  • 生前贈与など既に受けたものとの調整が必要
  • 遺言どおりよりも合理的に分けられる事情がある

どのような事情があるのかを整理しておくと、相続人間での話し合いが進めやすくなります。

遺言執行者がいる場合の注意点

遺言書に「遺言執行者」が指定されている場合、遺言と異なる分割を進めるには、執行者の協力が必要となる場面があります。

よくある場面

  • 遺産分割協議書の確認や署名押印
  • 金融機関から求められる同意書類への記載
  • 遺言内容と異なる取扱いについての意思確認
  • 財産の名義変更に関する調整

遺言執行者には遺言を実現するための一定の権限があるため、手続き上、執行者の関与が求められることがあります。実務では「遺言執行者が指定されていたことを後から知った」というケースも多く、遺言書を確認する際は、執行者の有無を最初にチェックすることが重要です。

不動産が関係する場合の特有の留意点

不動産を含む相続では、以下のような点に注意が必要です。

  • 固定資産評価額の確認
  • 不動産ごとの価値の偏りがないか
  • 名義変更(相続登記)の手続き
  • 売却予定がある場合の取り扱い(売却方法・代金分配)

不動産登記は司法書士が行う手続きとなるため、遺産分割協議書の内容が登記要件に合うよう注意する必要があります。

預貯金・金融資産で起きやすい実務ポイント

預貯金・投資商品などは、金融機関により必要書類や手続きが異なります。

  • 遺産分割協議書の書式の違い
  • 戸籍の提出範囲
  • 代表相続人の取扱いの有無
  • 遺言書がある場合の追加確認

遺言と異なる分割を行う場合、金融機関から追加書類を求められることもあるため、事前確認が重要です。

税務上の注意点

遺言書と異なる分割を行う場合、税務上の取り扱いに注意が必要です。

  • 贈与税が課される可能性:相続人間で財産を渡す行為が贈与とみなされる場合
  • 譲渡所得税の問題:不動産の持分を移動する場合
  • 相続税の修正申告:既に申告済みの場合は修正が必要

具体的な税務判断は税理士の業務範囲となるため、決定前に税理士へのご相談をおすすめします。

相続人間で意見が分かれた場合は弁護士へ

遺言と異なる分割は「相続人全員の合意」が条件です。もし、相続人間で意見が分かれている場合、その調整や交渉は弁護士の業務範囲となります。

📌 行政書士の業務範囲:戸籍収集、相続人確定、遺産分割協議書の文案作成(合意ができている前提)
📌 弁護士の業務範囲:相続人間の交渉・調停・訴訟代理

まとめ

遺言と異なる分割まとめ図

遺言と異なる遺産分割は法律上可能ですが、次のような点を丁寧に確認しなければ手続きが止まってしまいます。

  • 相続人を正確に確定する(戸籍の精査)
  • 遺言執行者の有無と役割の把握
  • 不動産や金融資産それぞれの取扱いの違い
  • 税務・登記など専門性が求められる場面の見極め
  • 相続人全員の合意が必須であること
  • 意見が分かれている場合は弁護士に相談する

相続は「法律の仕組み」だけでなく、家族の状況・財産の種類・過去の経緯などが複雑に絡み合います。遺言の趣旨を尊重しつつ、ご家族にとって最も納得のいく形を見つけるためにも、状況に応じて適切な専門家のサポートを受けることが大切です。

Kanade行政書士事務所でも、戸籍収集・相続関係説明図・遺産分割協議書の文案作成までを担当し、税理士・司法書士・弁護士との連携が必要な場面でも適切なご紹介ができます。

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よくある質問

遺言書の内容と異なる遺産分割をすることはできますか?

相続人全員と受遺者全員が合意すれば、遺言書と異なる遺産分割をすることが可能です(遺言の内容を修正する遺産分割協議)。ただし全員の合意が必須条件です。

遺言書に書いていない財産が出てきた場合はどうなりますか?

遺言書に記載がない財産は遺産分割協議の対象になります。相続人全員で協議して分割方法を決めてください。

異なる種類の財産(不動産と現金)を公平に分けるにはどうすればよいですか?

不動産は現物のまま一人が取得し、他の相続人に代償金(差額分の現金)を支払う「代償分割」が有効です。不動産を売却して現金化する「換価分割」も選択肢の一つです。

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この記事を書いた人

入江 紀子 入江 紀子 行政書士

相続・遺言・終活を専門に、栃木・宇都宮を中心に活動しています。「難しい言葉はできるだけ使わない」「急がない、急かさない」「ご家族の納得を一番にする」を大切に、あなたとご家族に寄り添うサポートを心がけています。
「こんなこと聞いていいのかな」と思うような些細なことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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