「介護が必要になったらそのとき考えよう」――そう思っていると、判断能力が低下してから慌てることになりかねません。介護が始まる前の準備が、本人と家族の両方を守ります。
本記事では、介護が始まる前にやっておきたい4つの備え(財産管理・希望伝達・施設選び・家族会議)を整理します。
介護が始まる前にやっておくこと

介護が必要になる前に整えておきたい備えは、大きく次の4つです。
かかりつけ医・緊急連絡先リストの作成、重要書類の場所を整理して家族と共有しておくことも大切です。
① 任意後見契約で財産管理を備える

任意後見契約は、判断能力があるうちに後見人を指定しておく制度です。介護施設の費用支払い・各種手続きを後見人が担います。
⚠️ 認知症が進んでからでは締結できないため、早めに準備することが重要です。
判断能力低下後に困ること
- 本人名義の口座が凍結され、施設費用の支払いに支障が出る
- 不動産の売却・賃貸の手続きが進まない
- 各種契約(入居契約・医療同意など)の代理ができない
当事務所では任意後見契約書の作成サポートが可能です。詳しくは成年後見制度と任意後見の違いをご参照ください。
② 医療・介護の希望を伝える方法

本人の希望を家族・医療者に伝えておくことで、いざというときの判断がスムーズになります。
エンディングノート
エンディングノートに医療・介護の希望を記載し、家族と直接話し合いの場を設けましょう。法的効力はありませんが、家族への情報共有として有効です。
尊厳死宣言書(公正証書)
延命治療への意思表示を公正証書で残す方法です。当事務所では尊厳死宣言書の文案作成・公証役場との調整サポートも行っています。
③ 介護施設の選択肢を知っておく

主な選択肢は次のとおりです。
| 施設タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 要介護3以上で比較的費用が安い・公的施設 |
| 有料老人ホーム | 費用の幅が広い・サービス内容も多様 |
| グループホーム | 認知症対応の少人数生活 |
| サービス付き高齢者住宅 | 自立〜軽度介護向け |
入居に必要な「身元保証」の手配も事前に考えておきましょう。家族がいない場合は、身元保証会社や行政書士の死後事務委任契約と組み合わせる方法があります。
📌 介護保険サービス(要介護認定の申請・ケアプラン作成・在宅介護サービス)の詳細は、お住まいの地域包括支援センターに相談すると無料でアドバイスがもらえます。
④ 家族で話し合うべきこと

元気なうちに家族で話し合っておくことで、いざというときの混乱を防げます。話し合うべき主なテーマは次のとおりです。
本人の希望
- 自宅で介護を受けたいか・施設入居を希望するか
- どの施設タイプが希望に近いか
- 延命治療の希望
- どんな生活を送りたいか
介護の分担・費用
- 誰が主な介護者になるか
- 介護費用をどう分担するか
- 仕事を続けながら介護できるか
- 費用の目安と本人の資産の確認
これらを事前に話し合っておくことで、いざ介護が始まった際に家族間の摩擦を減らし、スムーズに対応できます。
介護と財産管理を同時に備える
介護が始まると、財産管理(医療費・施設費用の支払いなど)が家族に委ねられることが多くなります。認知症が進行した場合、本人が自分で財産を管理できなくなるため、事前に次の仕組みを整えておくことが重要です。
どの方法が自分の状況に合っているかは、専門家に相談することで明確になります。
行政書士のサポート範囲
当事務所では、介護に備えた次の書類作成をサポートしています。
- 任意後見契約書の作成
- 財産管理等委任契約書の作成
- 尊厳死宣言書(公正証書)の文案作成
- 死後事務委任契約書の作成
- 遺言書(公正証書遺言)の文案作成
📌 介護保険サービスの利用相談は地域包括支援センター、施設選びはケアマネジャーが専門です。資金計画はFP・税理士にご相談ください。当事務所では、これら他の専門家との連携も含めてご案内します。
まとめ
介護が始まる前の備えのポイントを整理します。
- 財産管理の方法を決めておく(任意後見・財産管理等委任契約)
- 医療・介護の希望を家族に伝える(エンディングノート・尊厳死宣言書)
- 介護施設の選択肢を知り、身元保証の手配を考える
- 家族で「希望・分担・費用」を話し合っておく
- 認知症が進む前に法的な備えを整える
「介護が始まる前に準備しておきたい」「親が少し物忘れが多くなってきた」という段階でのご相談を当事務所では歓迎しています。認知症・介護に備えた生前対策について、初回60分無料でご相談をお受けしています。
よくある質問
介護が始まってからでも任意後見契約を結べますか?
判断能力が残っている状態であれば可能ですが、認知症が進むと難しくなります。「介護が始まりそう」と感じた段階で早めにご相談ください。
親の介護費用はどこから出しますか?
親本人の資産・年金・介護保険サービスを組み合わせることが基本です。任意後見契約があれば、後見人が本人の口座から費用を管理できます。詳しい資金計画はFP・税理士にご相談ください。
介護と相続の備えを同時に行政書士に相談できますか?
はい、当事務所では任意後見契約・遺言書・死後事務委任契約をまとめてご相談いただけます。「介護と相続、両方まとめて備えたい」という方はぜひご相談ください。

