「うちは仲良し家族だから大丈夫」──そう思っていても相続で関係が崩れてしまう家族は少なくありません。どんな状況で揉めやすいのかを知っておくことが、備えの第一歩です。
相続で揉めやすいケースの特徴

相続トラブルが起きやすい状況には、いくつかの共通したパターンがあります。
- 遺言書がない(全員の合意が必要になる):遺言書がないと相続人全員の同意が必要な遺産分割協議が必要になり、意見の相違がトラブルに発展しやすくなります。
- 不動産が遺産の大半を占める(分けにくい):現金と違って不動産は均等に分けることが難しく、「誰が住むか・売るか」で対立が生じやすいです。
- 相続人の一人が介護・同居していた:「自分だけが苦労した」という不満が相続での対立につながるケースがあります。
- 生前に多くの援助を受けた相続人がいる:生前贈与・学費・住宅資金援助などを受けた相続人がいると、他の相続人との不公平感が生まれやすいです。
- 相続人が多い・疎遠な相続人がいる:連絡が取れない・協議に参加しないなどで手続きが長引くことがあります。
- 再婚・前婚の子がいる:前婚の子も法定相続人であるため、面識のない相続人同士での協議が必要になることがあります。
不動産が原因になりやすい理由

相続トラブルの原因として最も多いのが不動産です。
- 「誰が住むか」「売るか残すか」で意見が割れる:同居していた子と遠方に住む子では、実家に対する思いや事情が異なります。
- 現金と違って均等に分けにくい:例えば兄弟3人で一軒家を「3分の1ずつ」にすると、売却・活用に全員の同意が必要になり不便です。
- 不動産の評価額で意見が一致しないことも:相続税評価額と実勢価格の差が争点になることがあります。
- 遺言書で「誰が取得するか」を決めておくことで防げる:遺言書があれば、不動産を誰が引き継ぐかを明確にしてトラブルを防ぐことができます。
介護・貢献の不公平感が原因になるケース

介護や同居など、相続人間の貢献度の違いがトラブルの原因になることがあります。
- 「自分だけが介護した」という相続人と「関係ない」という相続人の対立:介護をした相続人が「もっと多く相続したい」と感じるのは自然なことです。
- 寄与分の主張が認められるかどうかが争点になることも:介護に対する貢献(寄与分)は認められる範囲が限定的で、証明が難しい場合もあります。
- 遺言書で介護した相続人に多く残す旨を明記する方法:遺言書で「○○に多く渡す」と明記することで、生前の思いを相続に反映できます。
遺言書がないと起きること

遺言書がない場合、相続手続きはどのように進むのでしょうか。
- 相続人全員が参加する遺産分割協議が必要:相続人が何人いても、全員の合意がなければ手続きが進みません。
- 一人でも反対・音信不通だと手続きが止まる:疎遠な相続人や海外在住の相続人がいる場合、連絡が取れないだけで数年単位で手続きが止まることがあります。
- 感情的な対立が起きやすい時期に全員の合意が必要:亡くなった直後は感情が高ぶっていることが多く、冷静な話し合いが難しい時期でもあります。
遺言書で防げること

遺言書を作成しておくことで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
- 「誰に何をどれだけ渡すか」が明確になる:遺言書があれば、遺産分割の方針が最初から決まっているため協議が不要になるケースがあります。
- 遺産分割協議を省略できるケースがある:全財産について遺言書で指定があれば、相続人間の協議なしに手続きを進めることも可能です。
- 付言事項で「なぜそう決めたか」を伝えることでトラブルを和らげる:「○○に多く渡す理由」を付言事項として書き添えることで、他の相続人の理解を得やすくなります。
- 遺留分に配慮した内容にすることが重要:特定の相続人への遺留分(最低限の相続分)を無視した遺言書は、後から請求トラブルの原因になることがあります。
相続で揉めたときの解決策
相続で家族間の話し合いが行き詰まった場合、まず弁護士への相談を検討します。相続人全員が合意できない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申立てることができます。調停では調停委員が間に入って話し合いを助けます。調停でも解決しない場合は「遺産分割審判」に移行し、裁判官が分割方法を決定します。
ただし、調停・審判は時間と費用がかかります。最終的な判決まで数年かかることもあります。トラブルになってからでは解決に大変な労力が必要になるため、事前の遺言書作成による予防が最善です。
「すでにもめてしまった」という場合は、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。当事務所では生前対策(遺言書作成など)のご相談を初回六十分無料でお受けしています。相続争いを防ぐための具体的なアドバイスをいたします。
遺言書で揉めるケースを予防する方法
遺言書があっても、内容によっては揉める場合があります。特に、遺留分を大幅に侵害する内容や、財産の記載が不明確な場合にトラブルになりやすいです。遺留分を侵害しない範囲で遺言書を作成すること・財産の記載を具体的に書くこと(「預貯金の全て」ではなく「○○銀行○○支店の普通預金口座」と明記する)が重要です。
公正証書遺言を活用することで、遺言書の法的効力をより確かなものにできます。公証人が関与するため、形式上の不備によって遺言が無効になるリスクが低く、家庭裁判所での検認手続きも不要です。当事務所では公正証書遺言の作成サポートを専門におこなっております。初回六十分無料相談でお気軽にどうぞ。
相続でもめないためには、遺言書の作成と合わせて「家族への事前の説明」が大切です。遺言書の内容を生前に家族に伝えることで、相続発生後の驚きや不満を軽減できます。遺言書は「秘密にしておくもの」と思われがちですが、信頼できる家族に概要を伝えておくことでトラブル予防につながります。当事務所では遺言書の作成・家族への伝え方のアドバイスをおこなっています。初回無料相談でどうぞ。
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