終活を始めようと思ったとき、まず手に取る方が多いのがエンディングノートです。「書くべき項目がわからない」「どこまで書けばいいの?」という疑問にお答えします。
目次
エンディングノートとは
エンディングノートとは、自分に関する情報・希望・想いを書き残しておくためのノートです。決まった形式はなく、自分が大切だと思うことを自由に書けます。
法的効力はありませんが、家族が困らないための情報源として、また自分の想いを伝えるツールとして大きな意味を持ちます。
遺言書との違い
| 項目 | エンディングノート | 遺言書 |
|---|---|---|
| 法的効力 | なし | あり |
| 財産分配の指定 | できない | できる |
| 書き方 | 自由 | 方式が決まっている |
| 書き直し | 自由 | 一定のルールあり |
| 費用 | ほぼ無料 | 公証役場手数料など |
書いておきたい基本項目
① 自分のプロフィール
- 氏名・生年月日・本籍・現住所
- 家族・親族の連絡先一覧
- 友人・知人で連絡してほしい人
② 財産・お金に関すること
- 預貯金口座(銀行名・支店・口座番号)
- ネット銀行・証券口座
- 不動産(場所・登記の有無)
- 生命保険・損害保険(保険会社・証券番号)
- クレジットカード・サブスクリプション
- 借金・ローンの残高
- 仮想通貨・投資
③ デジタルデータ
- スマホのロック解除方法(PIN・パスワード)
- パソコンのログインパスワード
- 主要なSNS・メールのアカウント
- 写真・データの保管場所
④ 医療・介護に関する希望
- かかりつけ医・病院名
- アレルギー・服用中の薬
- 延命治療に関する希望
- 介護が必要になったときの希望(自宅か施設か)
- 臓器提供の意思
⑤ 葬儀・お墓に関する希望
- 葬儀の規模・形式(家族葬・一般葬など)
- 宗教・宗派
- お墓の場所・希望(樹木葬・散骨など)
- お世話になっているお寺・神社
⑥ 想い・メッセージ
- 家族・大切な人へのメッセージ
- 自分の人生で大切にしてきたこと
- 感謝の気持ち
書き方のポイント
- 完璧を目指さない:書けるところから少しずつ
- 定期的に更新する:年に1回見直す習慣を
- 保管場所を伝える:信頼できる家族に知らせておく
- 財産のことは遺言書と分ける:法的効力が必要な事項は必ず遺言書で
まとめ
エンディングノートは「終わりのための準備」ではなく、「自分のことを整理する作業」です。書き終えると、漠然とした不安が軽くなったという方も多くいます。
遺言書・任意後見契約など法的な備えについては、Kanade行政書士事務所にご相談ください。エンディングノートと合わせて、終活全体をサポートします。
市販エンディングノートの選び方
エンディングノートは書店・100円ショップ・インターネットなどで手軽に購入できます。大きく「簡易タイプ」と「詳細タイプ」に分けられます。
簡易タイプ
基本的な個人情報・財産の概要・医療についての希望・家族へのメッセージ程度をコンパクトにまとめられるタイプです。初めてエンディングノートを書く方や、「まず記録を残しておきたい」という方に向いています。500円〜1,500円程度で購入可能です。
詳細タイプ
財産(不動産・預貯金・保険・有価証券・デジタル資産)、医療・介護の希望、葬儀・墓の希望、相続に関する意向まで網羅できるものです。行政書士が監修したものや、終活セミナーで配布されるものが充実しています。1,500円〜3,000円程度が多いです。
法務局の自筆証書遺言保管制度との組み合わせ
エンディングノートに遺言書としての法的効力はありませんが、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用すれば、自筆証書遺言を安全に保管しつつエンディングノートで補足的な希望を伝えることができます。「法的効力のある内容は遺言書に、気持ちや希望はエンディングノートに」という使い分けが理想的です。
書いた後・更新のタイミング
エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。人生の状況は変化するため、定期的な見直しが不可欠です。
年1回の定期見直し
誕生日や年始など、区切りのよいタイミングを「見直しの日」と決めておくと習慣化しやすいです。口座番号・保険証券番号・保有資産の変化などを最新の状態に更新しましょう。
環境変化のタイミングで即時更新
以下のような変化があったときは、その都度見直しましょう。
- 家族構成の変化(子・孫の誕生、家族の死亡、離婚・再婚)
- 財産状況の変化(不動産の購入・売却、証券口座の開設)
- 居住地・連絡先の変更
- 医療・介護についての意向が変わった
古いままのエンディングノートは、遺族が誤った情報をもとに行動してしまうリスクがあります。特に「存在しない口座情報」「異なる住所の不動産」が記載されていると、遺族が混乱します。エンディングノートを書いた後も、遺言書の見直しとあわせて定期的に更新することを強くお勧めします。
エンディングノートと遺言書・法的手続きの関係
エンディングノートを書き終えた方から「これで終活は完成ですか?」というご質問をよくいただきます。エンディングノートは素晴らしいスタートですが、法的効力はありません。
エンディングノートでできないこと(法的手続きが必要なこと)
- 財産の分配方法の指定 → 遺言書が必要
- 認知症になったときの財産管理の委任 → 任意後見契約が必要
- 亡くなった後の手続きを専門家に依頼 → 死後事務委任契約が必要
- 不動産の名義変更 → 相続登記(司法書士)が必要
エンディングノートは「自分の状況と希望を整理する地図」、遺言書や任意後見契約は「その希望を法的に実現する手段」と考えると分かりやすいです。まずエンディングノートで整理し、それをもとに専門家に相談するというステップが、最もスムーズな進め方です。
Kanade行政書士事務所では、エンディングノートの内容をもとに法的な手続きのご提案をしています。「ノートは書いたけど次のステップがわからない」という方のご相談を歓迎しています。
この記事を監修した行政書士に相談する
「エンディングノートの書き方|何を書けばいい?項目別に解説」についてご不明な点はありませんか?
初回60分無料。宇都宮市・栃木県を中心に、オンライン相談も対応。
この記事を書いた人
特定行政書士 入江 紀子
栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。

