遺言書がない場合の相続の流れ|家族が困るポイントとは

遺言書がない場合の相続の流れ|家族が困るポイントとは

2026年4月3日

「うちは財産が少ないから遺言書はいらない」「家族は仲がいいから大丈夫」——そう思っている方が多いですが、遺言書がないと家族が想像以上の手間と労力を強いられることがあります。

この記事では、遺言書がない場合の相続の流れと、家族が困りやすいポイントを解説します。

遺言書がない場合の相続の流れ

遺言書がない場合の相続手続きフロー図
  1. 死亡届の提出(7日以内):役所に提出
  2. 相続人の確定:戸籍を収集して法定相続人を確認
  3. 財産の調査:不動産・預貯金・株式・負債などを調査
  4. 遺産分割協議:相続人全員で誰が何を相続するか話し合う
  5. 遺産分割協議書の作成:合意内容を書面にまとめる
  6. 各種名義変更・手続き:銀行・法務局・証券会社など

相続税の申告がある場合は、相続開始から10ヶ月以内に申告・納付が必要です。

遺言書がないと困るケース

① 相続人が多い・関係が複雑

相続人全員の合意が必要なため、人数が多ければ多いほど大変です。疎遠な兄弟・離婚した元配偶者との子・音信不通の相続人がいると、協議が進まなくなります。

② 不動産の相続先が決まらない

「実家を誰が相続するか」は特に揉めやすいテーマです。一人が住み続けたい、でも売って現金を分けたい、という対立が生じると長期化します。

③ 銀行口座が凍結される

亡くなったことが金融機関に知れると、口座は凍結されます。相続手続きが完了するまで、預貯金は引き出せません。日常生活費や葬儀費用の支払いに困るケースがあります。

④ 相続登記が放置される

不動産の名義変更(相続登記)は2024年4月から相続を知った日から3年以内に義務化されました。違反すると10万円以下の過料の対象になります。

遺産分割協議が成立しないとどうなる?

遺産分割調停の流れと手順の図解

協議がまとまらない場合は、家庭裁判所への遺産分割調停の申立てが必要です。調停でも解決しなければ審判となり、裁判所が分割方法を決定します。

この間、相続財産は凍結状態が続き、不動産の売却・預貯金の活用もできません。年単位で手続きが続くケースも珍しくありません。

遺言書があれば防げること

遺言書がない場合の口座凍結と対処法の図
  • 遺産分割協議が不要になる(遺言書の内容に従って各自が手続き)
  • 相続人間の揉め事を防げる
  • 銀行・不動産の手続きがスムーズになる
  • 配偶者・子どもの生活を守ることができる

「財産が少ない」「家族は仲がいい」という理由だけでは不十分です。相続手続きの煩雑さは財産額に関係なく発生します。

Kanade行政書士事務所では、遺言書作成の相談を初回60分無料で承っています。「まだ元気だから」と思っている今こそ、準備を始めるベストタイミングです。

遺言書を今すぐ作るべき人チェックリスト

遺言書がない場合に急いでやるべき手続き一覧

以下の項目に1つでも該当する方は、できるだけ早めに遺言書の作成を検討されることをお勧めします。

  • 不動産(土地・建物)を持っている
  • 再婚歴がある(前婚の子が相続人になる可能性)
  • 子どもがいない夫婦(配偶者の兄弟姉妹も相続人になる)
  • 独身・おひとりさま(身寄りがない、または甥姪が相続人になる)
  • 特定の人(孫・内縁のパートナー・お世話になった人)に財産を渡したい
  • 相続人の中に疎遠な人・仲の悪い人がいる
  • 相続人の1人が多額の生前贈与を受けている
  • 事業を営んでいて後継者に特定の財産を渡したい
  • 障害のある子がいる(財産管理の手当てが必要)

遺言書がないと「法定相続分」に従って遺産が分けられますが、それが必ずしも故人や家族の意思に沿うとは限りません。家族が揉めてしまうリスクを最小限にするためにも、遺言書は早めの準備が肝心です。

相続手続きの期限まとめ

遺言書がない場合の相続手続きタイムライン

相続が発生したら、いくつかの手続きには法定の期限があります。「気がついたら期限を過ぎていた」とならないよう、早めに全体像を把握しておきましょう。

手続き 期限 放置した場合のリスク
相続放棄・限定承認 相続の開始を知った日から3ヶ月以内 単純承認(借金も引き継ぐ)とみなされる
被相続人の所得税の準確定申告 死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内 延滞税・加算税が発生
相続税申告・納付 相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内 無申告加算税・延滞税が発生
不動産の相続登記 相続を知った日から3年以内(義務化) 10万円以下の過料

特に「3ヶ月」は短く感じるかもしれませんが、財産・負債の調査や相続人の確認に時間がかかるため、相続が発生したらすぐに動き始めることが重要です。Kanade行政書士事務所では相続が発生した直後のご相談(何から手をつければいいかわからない)にも対応しています。

今からでも間に合う:遺言書作成の第一歩

「今まで遺言書を考えたことがなかった」という方でも、今日から準備を始めることは十分に間に合います。大切なのは「完璧な遺言書を最初から作る」のではなく、「まず現状を整理して相談する」ことです。

最初のステップとして今日できること

  1. 家族構成を紙に書き出す(配偶者・子・親・兄弟姉妹の名前と続柄)
  2. 主な財産を大まかに書き出す(不動産・預貯金・保険・借金の有無)
  3. 「誰に何を残したいか」の大まかなイメージを書く

このメモを持って行政書士に相談すると、具体的な遺言書の内容設計がスムーズに進みます。何も準備しなくて構いません。「何から始めればいいかわからない」という状態のままでの相談も大歓迎です。

Kanade行政書士事務所では、初回60分の無料相談で遺言書の必要性・内容・費用について丁寧にご説明します。宇都宮市内・栃木県内の方はご自宅へお伺いすることも可能です。

よくある質問
遺言書がないと相続はどうなりますか?
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が何を相続するかを決めます。合意できれば遺産分割協議書を作成して各手続きを進めます。合意できない場合は家庭裁判所の調停・審判に移行します。
遺言書がなくても法定相続分どおりに分けることはできますか?
はい。相続人全員が法定相続分どおりの分割に合意すれば、その内容で遺産分割協議書を作成して手続きできます。ただし、銀行口座や不動産の名義変更には相続人全員の署名・押印が必要です。
遺言書を残さずに亡くなった場合、一番困るのはどんな状況ですか?
最も困るのは「相続人の中に音信不通の人がいる」「相続人の数が多い」「不動産が複数ある」「再婚・養子縁組があって相続関係が複雑」といったケースです。遺産分割協議が成立しないと相続財産が凍結された状態が続きます。

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この記事を書いた人

特定行政書士 入江 紀子

栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。