相続放棄はどこに申述すればよいですか?
相続手続きのご相談で、「相続放棄は市役所に行けばいいのですか?」「亡くなった人の住所地ですか?相続人の住所地ですか?」といったご質問をいただきます。
相続放棄は、申述先を間違えると受理されない重要な手続きです。また、相続放棄には期限があります。この記事では、相続放棄の正しい申述先と、実務で混同しやすいポイントをわかりやすく解説します。
Q. 相続放棄はどこに申述すればよいですか?
A. 被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
① 相続放棄の申述先

相続放棄は、家庭裁判所に申述する裁判手続きです。提出先は、次の基準で決まります。
→ 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
相続人自身の住所地ではありませんので、注意が必要です。
② 「被相続人の住所地」が基準になる理由

相続放棄は、相続財産の管理他の相続人との関係整理と深く関係するため、相続が開始した場所=被相続人の住所地を基準に管轄が定められています。
そのため、相続人が全国に散らばっていても相続人が遠方や海外に住んでいても、 申述先の家庭裁判所は一か所となります。
③ 相続放棄の申述ができる人

相続放棄の申述ができるのは、被相続人の法定相続人本人です。具体的には、配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属、兄弟姉妹(代襲相続人を含む)が該当します。
なお、未成年者や判断能力に制限がある相続人については、親権者・特別代理人、または成年後見人が代理して申述します。相続放棄は、相続人ごとに個別に行う手続きであり、代表者がまとめて申述することはできません。
④ よくある間違い

実務で特に多い誤解は次のとおりです。
❌ 相続人の住所地の家庭裁判所に申述する
→ 受理されません
❌ 市役所・役場に届け出る
→ 相続放棄は裁判所手続きです
❌ 法務局に提出する
→ 相続登記とは別の制度です
⑤ 相続人が複数いる場合の注意点
相続人が複数いる場合でも、申述先の家庭裁判所は全員共通申述書は 相続人ごとに作成・提出となります。
✔ 他の相続人の分を代理でまとめて申述することはできません。
✔ それぞれが期限内に手続きを行う必要があります。
詳しく知りたい方へ
⑥ 申述期限(3か月ルール)にも注意
相続放棄には、期限があります。相続開始を知った日から 3か月以内この期間を「熟慮期間」といいます。管轄の家庭裁判所を調べている間に、期限を過ぎてしまうケースも少なくありません。判断に迷う場合は、熟慮期間の延長申立てを行うことで、時間を確保することも可能です。
まとめ
相続放棄の申述先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所。
・相続人の住所地ではない点に注意
・申述できるのは 法定相続人本人
・相続人ごとに個別に申述が必要
・3か月の期限管理が非常に重要
相続放棄は、「どこに申述するか」「誰が申述できるか」「いつまでに行うか」この3点を正しく押さえることが、手続きを円滑に進めるポイントです。
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ご相談の流れとサポート内容
相続放棄の申述先はどこに関するご相談は、初回60分無料でお受けしています。まずはお電話またはお問い合わせフォームからご予約ください。ご相談時には、ご家族の状況や財産の概要、気になっている点などをお伺いし、お客様に合った解決方法をご提案いたします。
ご依頼が決まりましたら、必要書類の収集から書面作成、各機関への提出まで、一連の手続きを当事務所が代行いたします。お客様にご負担のかかる部分はできるだけ私たちが引き受け、大切なことをゆっくり考えていただけるようサポートいたします。
当事務所が大切にしていること
相続手続きは期限のあるものが多く、戸籍収集や書類作成に時間がかかります。当事務所では、戸籍の一括取得から遺産分割協議書の作成、金融機関での解約手続きの代行まで、ワンストップで対応いたします。
相続税の申告が必要な場合は提携税理士、不動産の相続登記は提携司法書士と連携し、複数の専門家が必要な案件もスムーズに進められます。

よくある質問
相続放棄の手続きはどこで行いますか?
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。申述書・被相続人の戸籍謄本・申述人の戸籍謄本・収入印紙800円が必要です。
相続放棄の期限(3か月)を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
原則として承認したとみなされます。ただし「相続財産がないと信じていた相当の理由がある場合」など特別な事情があれば、期限後でも放棄が認められることがあります。専門家に相談してください。
相続放棄をすると他の相続人に連絡は必要ですか?
法律上の義務はありませんが、他の相続人の相続分が増えるため、知らせることがマナーとされています。特に次順位の相続人(両親・兄弟姉妹)が新たに相続人になる場合は連絡しておきましょう。
管轄の家庭裁判所をどう調べるか
相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。宇都宮市・栃木県の場合は、以下が基本的な管轄となります。
- 宇都宮家庭裁判所本庁:宇都宮市・さくら市・高根沢町など
- 真岡支部:真岡市・益子町など
- 栃木支部:栃木市・小山市など
- 大田原支部:大田原市・那須町など
- 足利支部:足利市・佐野市など
管轄が分からない場合は、裁判所ウェブサイトの「管轄区域」ページで市区町村名を入力すると調べられます。間違った家庭裁判所に申述書を出しても受理されないため、必ず確認してから提出しましょう。
申述書の書き方とよくあるミス
相続放棄申述書は、家庭裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。記入項目はシンプルですが、次のポイントに注意が必要です。
- 申述人の情報:氏名・住所・電話番号・被相続人との続柄
- 被相続人の情報:氏名・最後の住所・死亡年月日
- 放棄の理由:選択式(債務超過・疎遠・遺産を受け取らないためなど)
- 相続財産の概略:わかる範囲で資産・負債を記載
申述書には、被相続人の住民票除票・戸籍附票、申述人の戸籍謄本、被相続人との関係を証明する戸籍などの添付書類が必要です。書類に不備があると差し戻されるため、事前に確認リストで点検しましょう。
手続き期間と照会書への対応
申述書を提出すると、通常2〜4週間後に家庭裁判所から「照会書(回答書)」が届きます。相続開始を知った時期・相続財産の状況・放棄の意思などを確認する質問票です。回答に不備があると受理されない場合があるため、丁寧に記入して返送します。
照会書の返送後、問題がなければ「相続放棄申述受理通知書」が送付されます。これで手続きは完了です。銀行や債権者に提出する「相続放棄申述受理証明書」は、別途家庭裁判所に申請すれば発行してもらえます(1通150円程度)。
相続放棄の申述書作成・提出代理は弁護士・司法書士の業務範囲です。行政書士としては財産調査や相続人関係の整理まで対応し、必要に応じて連携先の専門家をご紹介する形となります。迷われた段階でのご相談もお気軽にどうぞ。
