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行方不明者がいると遺産分割協議ができない理由

まず住所を調べる方法

- 戸籍の附票:戸籍の附票とは、その戸籍に記載されている人の住所の履歴が記録された書類です。本籍地の市区町村役場に請求することで、現在の住民登録地を確認できる場合があります。ただし、住民票を異動していない場合や住民票を除票している場合は、現住所がわからないこともあります。
- 弁護士会照会:弁護士に依頼すると、弁護士会を通じて各機関に照会をかけることができます(弁護士会照会)。住民票や戸籍の調査も依頼可能です。
対処法①:不在者財産管理人の選任

- 行方不明者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行う
- 家庭裁判所が不在者財産管理人を選任する(弁護士・司法書士が選任されることが多い)
- 管理人が遺産分割協議に参加する(家庭裁判所の許可が必要な場合がある)
- 協議が成立したら、各種名義変更手続きを進める
対処法②:失踪宣告

- 普通失踪:行方不明から7年以上経過した場合。「死亡したもの」とみなされる時点は、7年の期間が満了した時とされます。
- 特別失踪(危難失踪):戦争・震災・船の遭難など、危難にあってから1年以上経過した場合。危難が去った時に死亡したとみなされます。
行政書士ができること

- 相続人全員の確定(戸籍・住民票・附票の収集・調査)
- 相続関係説明図の作成
- 不在者財産管理人の申立てに必要な書類の準備サポート
- 遺産分割協議書(管理人が参加した後)の作成
- 預貯金の解約・名義変更に必要な書類の整理
早めに動くことの重要性
行方不明の相続人がいる場合、放置すると次のようなリスクが生じます。- 相続財産(特に不動産)の名義が被相続人のまま放置される:不動産が被相続人名義のままだと、売却・賃貸活用・担保設定などが一切できません。
- 相続登記義務違反のペナルティ:2024年4月施行の相続登記義務化により、期限(相続を知った日から3年以内)内に登記しないと10万円以下の過料が科せられる場合があります。登記は司法書士にご相談ください。
- 戸籍の廃棄リスク:時間の経過とともに古い戸籍(特に明治・大正時代のもの)が廃棄されるリスクがあります。相続人の確定が困難になる可能性があります。
- 相続人自身の高齢化:相続人が高齢になると、判断能力の低下や相続人の死亡によってさらに手続きが複雑になります。
相続手続きを止めないために
行方不明の相続人がいると、「どうしようもない」と諦めてしまいがちです。しかし、日本の法律には不在者財産管理人や失踪宣告という手続きが整備されており、適切な手順を踏めば相続手続きを前に進めることができます。大切なのは「放置しない」こと、そして「一人で抱え込まない」ことです。 戸籍の調査や書類の準備は行政書士が担当し、家庭裁判所への申立ては弁護士・司法書士と連携するというように、専門家がそれぞれの役割を担ってサポートします。「自分のケースで何が必要かを教えてほしい」という段階からでも、ぜひご相談ください。よくある質問
不在者財産管理人とはどのような人ですか?
行方不明者の財産を管理・保護するために家庭裁判所が選任する人物です。弁護士や司法書士が選任されることが多く、選任された管理人は遺産分割協議にも参加することができます。申立ては行方不明者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。申立ては弁護士または司法書士にご相談ください。
失踪宣告の手続きは誰に頼めばいいですか?
失踪宣告の申立ては家庭裁判所に対して行いますが、手続きが複雑なため弁護士にご相談ください。行政書士は申立てに必要な戸籍収集や書類の準備サポートをすることができます。なお失踪宣告が認められるまで数ヶ月〜1年程度かかる場合がありますので、早めの着手をおすすめします。
行方不明だった相続人が後から現れたらどうなりますか?
不在者財産管理人が参加して成立した遺産分割協議は原則として有効です。ただし、失踪宣告が取り消された場合には、一定の条件のもとで取消しが認められる場合があります。具体的な対応については弁護士にご相談ください。相続開始から時間が経てば経つほど対応が難しくなりますので、早期の対処が重要です。

