相続放棄できないケースとは?よくある疑問と注意点を解説

相続放棄できないケースとは?よくある疑問と注意点を解説

2025年12月5日

相続放棄できないケースはどんな場合ですか?

相続の場面では、「相続放棄を考えているが、もうできないケースに当たらないか」「何かしてしまった後でも相続放棄はできるのか」といった不安の声を耳にすることがあります。

相続放棄は、借金などの負担を避けるための重要な制度ですが、一定の条件に当てはまると利用できなくなることがあります。この記事では、一般的な事例をもとに、相続放棄ができなくなる代表的なケースを整理します。


Q. 相続放棄できないケースはどんな場合ですか?

A. 期限を過ぎている場合や、相続財産を処分・使用した場合などが代表例です。


① 申述期限(3か月)を過ぎている場合

相続放棄は、相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。この期間は「熟慮期間」と呼ばれています。この期限を過ぎると、原則として 相続放棄は認められません。

一般的によく見られるケース
・葬儀や諸手続きに追われ、判断を後回しにしてしまった
・借金の存在を後から知り、期限が過ぎていた
状況によっては起算点が問題になることもあるため、早めに制度を確認することが重要とされています。


② 相続財産を処分・使用してしまった場合

相続人が、相続財産を次のように扱った場合、相続を承認したとみなされる可能性があります。

一般的に注意される行為の例
・被相続人名義の預貯金を引き出して生活費に充てた
・不動産を売却した、または賃貸に出した
・車や高価品を処分した
このような行為があると、相続放棄ができなくなると判断されることがあります。


③ 相続を承認したとみなされる行為がある場合

法律上、相続人が次のような行為をした場合、相続を承認した(単純承認)と扱われることがあります。
・相続財産を自己のために利用する
・財産を隠したり処分したりする
・相続人として権利行使を行う
「知らなかった」「やむを得なかった」という事情があっても、行為の内容によっては相続放棄が認められないケースがあるとされています。


④ 判断が分かれやすい実務上の注意点

次のようなケースは、判断が分かれやすい例として挙げられます。
・相続開始から長期間が経過している
・一部の財産のみを使用している
・他の相続人との関係で影響が大きい
「少額だから問題ないだろう」と思って行った行為が、後から影響することもあるため、慎重な判断が求められます。


まとめ

相続放棄ができなくなる主なケースは
・3か月の申述期限を過ぎている
・相続財産を処分・使用している
・相続を承認したとみなされる行為があると、放棄は認められないことがある
・判断に迷う場合は、行動する前に制度を確認することが重要

相続放棄は、制度を知っているかどうかで結果が大きく変わる手続きです。一般的なルールや注意点を知った上で、落ち着いて判断することが大切です。


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よくある質問

相続人が全員相続放棄した場合、財産はどうなりますか?

相続財産管理人(相続財産清算人)が選任され、債務の弁済・残余財産の国庫帰属などの処理が行われます。特別縁故者への財産分与が認められることもあります。

相続人が行方不明の場合、遺産分割はどうすればよいですか?

家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てることで、不在者に代わって遺産分割協議に参加してもらえます。7年以上行方不明の場合は「失踪宣告」の申立てもできます。

認知症の相続人がいる場合、遺産分割協議はできますか?

判断能力が著しく低下している場合、そのまま協議に参加させることはできません。家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立て、後見人が代わりに協議に参加します。

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この記事を書いた人

特定行政書士 入江 紀子

栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。