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遺言書があっても遺産分割協議は必要?ケース別に解説

2026 4/26
遺言 相続
遺言書があっても遺産分割協議は必要?ケース別に解説|Kanade行政書士事務所

「遺言書があるから、もう遺産分割協議は不要ですよね?」――ご相談でよくいただく質問のひとつです。原則としてその通りなのですが、実は遺言書があっても遺産分割協議が必要になるケースがあります。

この記事では、宇都宮の実務経験をもとに、遺言書がある場合の基本的な考え方・協議が必要になる典型ケース・遺言書の有効性確認のポイント・スムーズに進めるための事前準備を、わかりやすく整理します。

目次

結論|原則は不要、ただし例外あり

遺言書があっても協議が必要な場面の図解

有効な遺言書があれば、原則として遺産分割協議は不要です。遺言書の内容が法的に優先されるため、「不動産は長男に相続させる」「預金は妻に相続させる」といった内容が明確に書かれていれば、その通りに相続手続きを進めます。

ただし、例外的に遺産分割協議が必要になるケースもあります。次の章で詳しく見ていきましょう。

遺産分割協議が必要になる4つのケース

協議が必要な3ケース図

① 遺言書に記載されていない財産がある

遺言書作成後に取得した財産や、書き漏れた財産については、その分について遺産分割協議で分け方を決める必要があります。たとえば不動産だけ指定されていて、預金や株式の指定がない場合などです。

② 遺言書の内容があいまい

「預金の一部」「土地の半分」など具体性に欠ける表現の場合、誰がどれを取得するか不明確なため、相続人間で協議して確定する必要があります。

③ 相続人全員が遺言と異なる分割を希望する

相続人全員の合意があれば、遺言書の内容と異なる分け方も法的に可能です。実際の生活状況に合わせて柔軟に変えたいときは、全員の合意のもと協議書を作成して調整できます。

ただし、次の点に注意が必要です。

  • 遺言執行者がいる場合は、その同意が必要
  • 受遺者が相続人以外の場合(遺贈)は、その同意も必要
  • 税務上の取り扱いに注意(贈与とみなされる可能性があるため、税理士に確認を)
  • 合意内容は遺産分割協議書として書面に残す

④ 遺言の一部が無効と判断された/遺留分侵害があった

遺言書の一部のみ無効の場合、その部分について協議が必要になります。また、遺留分を侵害された相続人から「遺留分侵害額請求」が行われた場合は、金銭で精算するため関係者間の合意形成が必要になります。

遺言書の「有効性」を必ず確認しましょう

遺言書の有効性確認の図解

自筆証書遺言の場合、内容が法的に有効かどうか(方式に不備がないか)を確認することが重要です。特に日付・署名・押印の欠落などがあると、無効と判断されるおそれがあります。

確認ポイント

  • 遺言書が有効な形式で作成されているか(民法968条の要件)
  • 家庭裁判所での検認手続きが必要か(自筆証書遺言で法務局保管制度を使っていない場合は必要)
  • 公正証書遺言の場合は検認不要、すぐに執行可能
  • 内容が具体的に特定されているか

相続人間で争いを避けるためにも、手続きを進める前に遺言書の有効性や保管状況(法務局保管かどうか)を確認しておくと安心です。

スムーズな協議のための事前準備

遺言書がある場合の基本図

遺言書があってもなくても、遺産分割協議をスムーズに進めるための準備は共通しています。

  • 相続人全員の戸籍を集める(または法定相続情報一覧図を作成)
  • 財産の全体像を把握する一覧表を作成
  • 相続税の概算を試算しておく(税理士へ相談)
  • 各相続人の希望を事前にヒアリング
  • 中立的な立場の進行役を決めておく

専門家に相談するメリット

遺言書がある場合でも、実際の手続きでは「遺言に含まれていない財産」や「登記・解約などの関連手続き」が必要になることがあります。行政書士の業務範囲では、次のようなサポートが可能です。

  • 相続関係説明図の作成や戸籍収集など、遺言内容を実現するための前提整理
  • 遺言執行に向けた準備や、関係者間の情報整理
  • 遺産分割協議書の文案作成
  • 他士業(司法書士・税理士など)へのスムーズな引き継ぎ支援

遺言を「作る段階」だけでなく、「実際に動かす段階」でも全体を見渡して整理しておくことが、家族にとっての安心につながります。

まとめ|遺言があっても「確認と整理」が大切

遺言書と協議まとめ図

遺言書があれば相続手続きはスムーズに進む――それは基本的に正しい一方で、「絶対に協議が不要」とは限りません。

意識したいポイント:

  • 原則は協議不要だが、4つの例外ケースに注意
  • 遺言書の有効性(方式・内容の特定性)を必ず確認
  • 遺言書外の財産があれば、その分は協議が必要
  • 遺言と異なる分割をする場合は、執行者・受遺者・税務の確認を忘れずに

Kanade行政書士事務所でも、戸籍収集から遺産分割協議書の作成までトータルでサポートしています。「遺言書はあるけれど、どう進めたらいいか分からない」というご相談もお気軽にどうぞ。

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よくある質問

遺産分割協議書が必要なのはどのような場合ですか?

複数の相続人がいる場合に必要です。銀行口座の解約・不動産の名義変更など主要な相続手続きで提出が求められます。相続人が1人だけの場合は不要なケースもあります。

遺産分割協議書は誰が作成するのですか?

相続人が自分で作成することも、行政書士・弁護士・司法書士などの専門家に依頼することも可能です。形式に決まりはありませんが、相続人全員の署名・実印・印鑑証明書が必要です。

遺産分割協議書が作れない場合(相続人間で合意できない場合)はどうなりますか?

家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停でも合意できない場合は審判によって分割方法が決定されます。早めに専門家に相談することをおすすめします。

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この記事を書いた人

入江 紀子 入江 紀子 行政書士

相続・遺言・終活を専門に、栃木・宇都宮を中心に活動しています。「難しい言葉はできるだけ使わない」「急がない、急かさない」「ご家族の納得を一番にする」を大切に、あなたとご家族に寄り添うサポートを心がけています。
「こんなこと聞いていいのかな」と思うような些細なことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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