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遺言書でできること・できないこと|生命保険・登記・相続税との関係

2026 4/23
遺言
遺言書でできること・できないこと|生命保険・登記・相続税との関係|Kanade行政書士事務所

遺言書は、自分の想いを家族に確かに伝えるための大切な書面です。ただし、遺言書で決められることには法律上の範囲があり、何でも自由に書けるわけではありません。

たとえば、生命保険の受取人は保険契約で決まるため遺言書では変更できません。不動産の名義変更(相続登記)も、遺言書に書いただけでは完了せず、別途登記手続きが必要です。相続税の負担についても、遺言書で法律の定めを変えることはできません。

この記事では、遺言書で「できること」「できないこと」を整理し、生命保険・登記・相続税との関係を含めて、安心して準備を進めるためのポイントをわかりやすく解説します。

目次

遺言書でできる10のこと(法定事項)

遺言書でできることの図解

遺言書に記載すれば法的効力が生じる事項を整理します。民法で定められた主なものは以下のとおりです。

  1. 相続分の指定:法定相続分と異なる割合を定める
  2. 遺産分割方法の指定:特定の財産を誰に渡すかを指定
  3. 遺贈:相続人以外の人・団体に財産を渡す
  4. 相続人の廃除:相続権を失わせる(家庭裁判所の審判が必要)
  5. 遺言執行者の指定:遺言内容を実行する人を指名
  6. 認知:婚姻外の子を法的に認める
  7. 未成年後見人の指定:親が亡くなった後の後見人を指定
  8. 祭祀承継者の指定:お墓・仏壇などの承継者を決める
  9. 生命保険金受取人の変更:保険契約の範囲内で可能
  10. 信託の設定:遺言信託の設定

財産の分配

遺言書の最大の目的は、財産をどう分けるかを決めることです。

  • 誰に何を渡すか

  • どの割合で分配するか

  • 誰に遺贈するか

法定相続分と異なる分配も可能です。


遺言執行者の指定

遺言書の内容を実現するため、執行者を指定できます。

例:
「長男〇〇を遺言執行者とする」
「行政書士××を遺言執行者とする」


認知・廃除・相続人の排除

  • 非嫡出子を認知する

  • 不当な行為を行った相続人の廃除

  • 廃除した相続人の復権

これらも遺言で行うことができます。


祭祀承継者の指定

お墓や仏壇を誰が守るかを指定できます。


遺言書ではできないこと

遺言書でできないことの図解

一方、遺言書に書いても法的効力が生じない・または実現が難しい事項もあります。

  • 結婚・離婚の指定:個人の自由に属する事項
  • 特定の人と縁を切ることの指示:相続分の調整は可能ですが、関係自体の切断はできない
  • 葬儀の形式・墓の場所の法的拘束:希望として書けますが、法的な強制力はない
  • ペットへの相続:ペットは法的には”物”とされるため、直接の相続は不可(信頼できる人に託す形で対応)
  • 相続人への借金の押しつけ:マイナス財産の配分は債権者の同意が必要

こうした「法的効力のない希望」も、付言事項として記載することで家族に気持ちを伝えることができます。


不動産の登記変更

遺言で不動産の相続人を指定しても、登記の名義変更は別途手続きが必要です。
遺言書だけで完了するわけではないため、相続登記を忘れないようにしましょう。


よくある誤解

遺言書に関するよくある誤解の図解

「遺言書に書けばすべてその通りになる」
→ 一部は手続きや法律に基づき、書いても効力がない場合があります。

「生命保険も遺言で変えられる」
→ 保険契約での手続きが必要です。

「相続税を免除できる」
→ 税金は国の制度なので無効です。


公正証書遺言を活用する理由

できること・できないことの整理図

特に「できること・できないこと」の線引きが重要な場合、公正証書遺言がおすすめです。

  • 内容が明確に整理される

  • 公証人が不備を確認

  • 証人がいるため後日の争いを減らせる

Kanade行政書士事務所では公証役場との調整もサポートします。

生命保険・登記・相続税との関係

遺言書と密接に関わる実務上のポイントをいくつか押さえておきましょう。

生命保険
保険金は受取人固有の財産とされ、原則として遺産分割の対象外です。ただし、税務上は「みなし相続財産」として相続税の対象になります。受取人を誰にするかで相続対策としての効果が大きく変わります。

相続登記
遺言書に基づく不動産の名義変更は司法書士の業務範囲です。2024年4月から相続登記が義務化され、原則3年以内に登記申請する必要があります。遺言書がある場合は手続きがスムーズに進みます。

相続税
相続税の計算・申告は税理士の業務です。遺言書の内容によって税額が変わることもあるため、資産規模が大きい場合は税理士との連携を前提に遺言書を設計することをおすすめします。

Kanade行政書士事務所では、行政書士としての遺言書設計・作成支援を行い、税務・登記は連携先の税理士・司法書士と協働して進めています。トータルで安心な体制を整えたい方は、ぜひご相談ください。

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よくある質問

遺言で銀行口座をそのまま使えるようにできますか?

いいえ、口座は死亡後に凍結されます。遺言書でそのまま使えるようにはできず、相続開始後に戸籍の収集や遺産分割協議書の提出など、金融機関ごとの相続手続きが必要になります。

生命保険は遺産分割に含まれますか?

原則として含まれません。生命保険金は受取人固有の財産として扱われます。ただし相続税の計算上はみなし相続財産として課税対象になる点に注意が必要です(非課税枠:500万円×法定相続人数)。

遺言書に書けば相続税が免除されますか?

いいえ、相続税は法律で定められており、遺言書で変更することはできません。相続税対策は遺言書とは別に、生前贈与や保険の活用、配偶者控除などで検討します。節税を検討される場合は税理士にご相談ください。

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この記事を書いた人

入江 紀子 入江 紀子 行政書士

相続・遺言・終活を専門に、栃木・宇都宮を中心に活動しています。「難しい言葉はできるだけ使わない」「急がない、急かさない」「ご家族の納得を一番にする」を大切に、あなたとご家族に寄り添うサポートを心がけています。
「こんなこと聞いていいのかな」と思うような些細なことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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