自筆証書・公正証書・秘密証書の違いと選び方|3つの遺言書を比較

自筆証書・公正証書・秘密証書の違いと選び方|3つの遺言書を比較

2025年5月9日

【3つの遺言書を比較|自筆証書・公正証書・秘密証書、それぞれの違いと選び方】

遺言書には複数の形式があり、それぞれに特徴と注意点があります。特に多くの方が検討するのは「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つです。

この記事では、各方式のメリット・デメリットをわかりやすく整理し、ご自身やご家族に合った遺言のかたちを見つけるためのヒントをお伝えします。


【遺言書の3つの方式とは?】

■ 自筆証書遺言

【概要】 全文を自分で手書きする遺言書です。紙とペンがあれば作成でき、費用がかからない点が特徴です。

【メリット】

  • いつでも作成・変更が可能
  • 費用がかからない(基本的に自分だけで作成できる)
  • 内容を誰にも見られずに済む

【デメリット】

  • 法的な形式を守らないと無効に
  • 紛失・改ざん・未発見のリスク
  • 家庭裁判所での検認が必要

■ 公正証書遺言

【概要】 公証人が関与し、遺言者の口述に基づき文書を作成。原本が公証役場に保管され、家庭裁判所の検認も不要です。

【メリット】

  • 法的に有効な形式で作成される
  • 紛失や改ざんの心配がない
  • 家庭裁判所の検認が不要ですぐに執行可能

【デメリット】

  • 費用がかかる(公証人手数料、証人謝礼など)
  • 証人2名が必要(※相続人は不可)
  • 公証役場への訪問が必要(出張も可だが費用が加算)

■ 秘密証書遺言

【概要】 自分で作成した遺言を封印し、公証役場で公証人と証人2名の前で封書の存在を証明してもらう方式です。

【メリット】

  • 内容を誰にも見せずに作成できる
  • 公証役場が存在を証明するため形式の証明にはなる

【デメリット】

  • 内容のチェックがないため法的に無効になるリスク
  • 自筆・パソコンどちらでも作成可能だが、押印などの不備が起きやすい
  • 家庭裁判所の検認が必要
  • 実務ではほとんど使われていない

【比較表:3つの遺言方式】

方式 費用 法的安全性 秘密性 家庭裁判所の検認
自筆証書 ◎(無料) △(形式不備リスクあり) 必要
公正証書 △(数万円〜) ◎(公証人関与) △(証人2名に内容が伝わる) 不要
秘密証書 △(印紙+証人謝礼) △(内容確認なし) 必要

【自分に合った方式の選び方】

▼ こんな方には「自筆証書遺言」がおすすめ

  • 費用をかけずに今すぐ書いておきたい
  • 内容が比較的シンプル
  • 定期的に書き直す予定がある

▼ こんな方には「公正証書遺言」がおすすめ

  • 高齢者や判断能力に不安がある
  • 財産が多く、家族間トラブルを避けたい
  • 遺言書の確実な執行を求める

▼ 秘密証書遺言は?

  • 実務では利用が非常に少ないため、特別な事情がない限りはおすすめしません。
  • 内容が秘密であることを重視したい方でも、形式不備のリスクがある点は要注意です。

【まとめ】

遺言書には3つの方式があり、それぞれに適した使い方があります。 形式や費用、安全性を比較して、自分や家族にとって最適な方法を選ぶことが大切です。

特にトラブルを避けたい方や、確実に意思を残したい方には「公正証書遺言」が安心ですが、手軽に始めたい方には「自筆証書遺言」も有効です。

ご希望があれば、当事務所では作成の相談から証人の手配、公証役場との調整まで丁寧にサポートいたします。

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よくある質問

3種類の遺言書、どれを選べばよいですか?

一般的には公正証書遺言が最もおすすめです。公証人が内容を確認するため無効になりにくく、原本が公証役場に保管されます。費用はかかりますが、確実性と安心感が最も高い方式です。

自筆証書遺言を選ぶメリットはありますか?

費用がかからず、いつでも手軽に作成・変更できる点です。ただし形式ミスで無効になるリスクや、紛失・隠ぺいのリスクがあります。法務局保管制度を利用することでこれらのリスクを軽減できます。

3種類の遺言書に共通して必要なことは何ですか?

いずれも遺言者が遺言能力(判断能力)を持っていること、法律が定める要件を満たすことが共通条件です。また定期的な内容の見直しも重要です。

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この記事を書いた人

特定行政書士 入江 紀子

栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。