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秘密証書遺言とは?自筆証書や公正証書と何が違う?あえて選ぶメリットと注意点
「遺言書は書いておきたいけれど、内容を知られたくない」
「でも法的な形式はきちんと整えておきたい」
そんな方に向いているのが『秘密証書遺言』です。
現在ではあまり一般的ではありませんが、自筆証書遺言と公正証書遺言の中間のような位置づけで、特定の事情を持つ方には適した方法です。
この記事では、秘密証書遺言の特徴、作成手続き、向いているケースをわかりやすく解説します。
秘密証書遺言とは
秘密証書遺言は、遺言者が書いた遺言書を封筒に入れて封をし、公証人と証人2名の前でその封書が遺言であることを証明してもらう方法です。
内容は本人しか知らないまま、公正証書としての証明力を一部持たせる形式です。
自筆証書・公正証書との違い
秘密証書遺言は、自筆証書遺言や公正証書遺言とは異なる特徴を持っています。違いを理解することで、どの方式が自分に合っているか判断しやすくなります。
| 形式 | 自筆証書遺言 | 秘密証書遺言 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|---|
| 内容の秘密性 | 高い | 非常に高い | 低い(内容を公証人に伝える) |
| 証人の立会い | 不要 | 2名必要 | 2名必要 |
| 公証人の関与 | なし | 封印の証明のみ | 内容の確認・作成すべて |
| 検認手続き | 必要 | 必要 | 不要 |
| 紛失リスク | 高い | 中程度(封印あり) | 低い(原本保管) |
自筆証書遺言の詳細や書き方については、
👉 遺言書とは?書き方と基本を宇都宮市の女性行政書士がやさしく解説
公正証書遺言のメリットや手続きについては、
👉 宇都宮市で公正証書遺言を考えたら|手続きとサポート内容を解説【遺言教室vol.10】 もあわせてご覧ください。
メリットと注意点
<メリット>
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内容の秘密を完全に保てる(公証人・証人にも内容は見せない)
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公証人が関与するため、遺言としての形式面が担保される
<注意点>
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作成者が全文をパソコンで作成できるが、署名と押印は本人が必要
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相続開始後は家庭裁判所で検認が必要
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内容に不備があっても公証人が関与しないため無効となる可能性がある
向いている方・ケース
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家族や周囲に遺言の内容を一切知られたくない方
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財産や遺贈先についてプライベートな事情がある方
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将来のトラブル回避のため封印された形で残したい方
ただし、公正証書遺言と比べると実務上のサポートを得にくいため、明確な理由がある場合を除き、一般的には自筆証書・公正証書が選ばれる傾向です。
行政書士ができるサポート
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文案作成のアドバイス
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封入前の文面チェックと法的要件の確認
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公証役場の手続きの事前説明・証人の手配
※実際の封入・署名・提出などは本人の手続きが基本となります。
※より確実な遺言方法をご検討の方には、実務でも多く選ばれている
👉 宇都宮市で公正証書遺言を考えたら|手続きとサポート内容を解説【遺言教室vol.10】 もおすすめです。
まとめ
秘密証書遺言は、「遺言の内容を誰にも見られずに残したい」というニーズに応える、特殊な方法です。
形式の整え方を誤ると無効になるリスクもあるため、慎重に準備する必要があります。
公正証書や自筆証書の違いを知ったうえで、「なぜ秘密証書にするのか」という目的が明確な場合に限って、選択肢として検討されることをおすすめします。
※制度上は存在しますが、実際に秘密証書遺言を選ぶ方はごく少数であり、実務ではあまり推奨されないこともあります。
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よくある質問
秘密証書遺言とは何ですか?
遺言内容を秘密にしたまま、遺言書の存在だけを公証人に証明してもらう遺言書の種類です。内容は遺言者しか知らない状態で封印し、公証役場に提出します。
秘密証書遺言のデメリットは何ですか?
内容を公証人が確認しないため、形式ミスがあっても気づかずに無効になるリスクがあります。また相続開始後に家庭裁判所での検認が必要です。利用される頻度は自筆証書遺言・公正証書遺言と比べて少ない方式です。
秘密証書遺言はどんな場合に向いていますか?
遺言内容を誰にも知られたくない場合に選択肢となります。ただしデメリットも多いため、公正証書遺言と比較検討することをおすすめします。
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この記事を書いた人
特定行政書士 入江 紀子
栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。

