「遺言書は自分には関係ない」と思っていませんか?実は遺言書は、家族への最後のプレゼント。誰でも、今すぐ書けます。種類・書き方・効力について分かりやすくまとめました。
この記事でわかること
- 遺言書の3種類の違い
- 自筆証書遺言の書き方と注意点
- 公正証書遺言を選ぶメリット
- 遺言書を書いておくべき理由
遺言書が必要な理由
遺言書がないと、相続人全員で「遺産分割協議」を行わなければなりません。これは、相続人が全員合意しなければ財産を動かせない手続きです。
兄弟間で意見が合わない、疎遠な相続人がいる、連絡が取れない相続人がいる——そんな状況では、協議が長期化し、家族関係が壊れることもあります。
遺言書があれば、あなたの意思どおりに財産を分けることができます。
遺言書を書いておくべき方のチェックリスト

- ☑ 子どものいない夫婦(義両親・義兄弟が相続人になる可能性あり)
- ☑ 再婚している方(前婚の子と後婚の子どちらも相続権がある)
- ☑ 特定の子に多く残したい方
- ☑ 内縁の配偶者・パートナーに財産を残したい方
- ☑ 事業を後継者に引き継ぎたい方
- ☑ 相続人がいない(おひとりさまの)方
遺言書に書けること・書けないこと

遺言書は何でも自由に書けるわけではありません。法的な効力が認められる事項と、書いても法的には意味をなさない(または無効になる)事項があります。
遺言書に書けること(法律上の効力が生じる主な事項)
- 財産の分配(遺贈・相続分の指定):「自宅不動産は長男に相続させる」など
- 遺言執行者の指定:遺言内容を実行する人の指名
- 認知:婚外子の認知
- 相続人の廃除または廃除の取消し
- 祭祀承継者の指定:お墓・仏壇を引き継ぐ人の指定
- 付言事項:法的効力はないが、遺族へのメッセージや財産分配の理由を記載できる
遺言書に書いても法的効力がないもの
- 医療同意(「延命治療を拒否する」など):遺言書の効力は死後に発生するため無効
- 葬儀の方法・埋葬場所の強制:希望は書けるが、相続人に法的拘束力はない
- 夫婦間の約束(離婚後の財産分与など):別の手続きが必要
- 相続人以外への「お願い」:受遺者への義務なし(負担付き遺贈は例外)
付言事項は法的効力こそないものの、なぜその分け方にしたのかを家族に伝える大切な手段です。財産の分配に不公平感が生じやすいケースでは、付言事項で丁寧に気持ちを伝えることで相続トラブルを予防できます。
遺言書を作るなら今がベストタイミング
「まだ若いから」「財産が少ないから」という理由で遺言書の作成を先延ばしにする方は多いですが、遺言書は早く作るほど選択肢が広がります。
認知症になってからでは作れない:遺言書は作成時に「遺言能力」(判断能力)があることが必要です。認知症が進んだ後に作成した遺言書は、後から「無効」を主張されるリスクがあります。元気なうちに作成し、必要に応じて書き直すことが最善の方法です。
財産が少なくても揉める:統計上、相続争いの約3割は遺産総額1,000万円以下の家庭で起きています。「うちは財産が少ないから大丈夫」とはいえません。特に不動産(自宅)があると、誰が相続するかで揉めやすいです。
遺言書は何度でも書き直せる:一度作ったらそれで終わりではなく、状況が変われば内容を更新することもできます。まず「今の気持ち」で作成しておいて、後から修正する方法でも十分です。
Kanade行政書士事務所では、初回60分の無料相談で遺言書の必要性・内容・費用をご説明しています。「自分には必要か確認したい」という方もお気軽にご相談ください。
遺言書の3種類

① 自筆証書遺言
遺言者本人が全文・日付・氏名を自書し、押印したもの。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 費用がかからない | 書き方を間違えると無効になる |
| いつでも書ける | 発見されない・隠滅されるリスク |
| 内容を秘密にできる | 家庭裁判所での「検認」が必要 |
2020年からは「自筆証書遺言書保管制度」が始まり、法務局で遺言書を預かってもらえるようになりました。検認不要・紛失リスクゼロで、費用は3,900円です。
自筆証書遺言の書き方:4つのルール
次の4点を守らないと遺言書が無効になります。
- 全文を自書する(ワープロ・代筆はNG)
- 日付を書く(「○○年○月○日」と具体的に)
- 氏名を自書する
- 押印する(認印でも可。シャチハタは避けた方が無難)
財産目録だけはパソコン作成・通帳コピーの添付が認められています(2019年改正)。ただし、財産目録の各ページに署名押印が必要です。

② 公正証書遺言
公証人が関与して作成する遺言。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 法的効力が最も確実 | 費用がかかる(数万円〜) |
| 検認不要 | 証人2名が必要 |
| 原本が公証役場に保管される | 内容が証人に知られる |
財産が多い方・相続関係が複雑な方・確実に実行させたい方には公正証書遺言を強くお勧めします。
③ 秘密証書遺言
内容を秘密にしたまま公証人に遺言書の存在だけを証明してもらう方式。自筆でなくてもよいが、実務ではほとんど使われません。
遺言書作成は行政書士にお任せください
当事務所では、遺言書の内容相談から公証役場との調整まで一括サポートしています。初回60分は無料でご相談いただけます。
証人の選び方と注意点

公正証書遺言を作成する際には、証人2名が必要です。証人は遺言の作成に立ち会い、内容を確認する役割を担います。誰でも証人になれるわけではなく、以下の方は「欠格事由」に該当し、証人になれません。
- 未成年者
- 推定相続人(相続を受ける可能性のある人)および受遺者(遺言で財産を受け取る人)
- 上記の配偶者・直系血族
- 公証人の配偶者・四親等内の親族・書記・使用人
つまり、「相続に利害関係がある人」は証人になれません。友人や知人に頼む方法もありますが、個人的な関係にある方に遺言内容を知られることに抵抗がある場合もあるでしょう。
行政書士に依頼する場合は、証人2名の手配も含めて対応できます(証人日当として別途費用が生じる場合があります)。Kanade行政書士事務所では、公正証書遺言作成のサポートを初回無料相談から承っています。
よくある質問
遺言書を書かずに亡くなった場合、財産はどうなりますか?
法定相続分(民法で定めた割合)に従って相続されます。相続人全員で遺産分割協議を行う必要があり、意見が合わないとトラブルになることがあります。
遺言書で必ず書かなければならない項目はありますか?
自筆証書遺言の場合は、全文自筆・日付・署名・押印が必須要件です。どの遺言書の方式でも、財産の特定(何を・誰に・どう渡すか)が明確でないと後のトラブルの原因になります。
遺言書を作成した後、財産が増えたり減ったりした場合はどうすればよいですか?
定期的に見直して内容を更新することをおすすめします。遺言書はいつでも変更・取り消しが可能です(新しい遺言書が古いものより優先されます)。

