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任意後見契約とは?認知症に備える仕組みをわかりやすく解説

2026 4/25
生前対策
任意後見契約とは?認知症に備える仕組みをわかりやすく解説|Kanade行政書士事務所

「認知症になったとき、誰が自分の財産を管理してくれるの?」そんな不安を抱えている方は少なくありません。任意後見契約は、そのような将来の不安に今のうちから備えるための制度です。

この記事では、任意後見契約の仕組み・メリット・手続きの流れを、宇都宮市の行政書士が丁寧に解説します。

目次

任意後見契約とは

任意後見契約とはの図解

任意後見契約とは、判断能力があるうちに、将来の財産管理や身上保護を任せる相手(任意後見人)と内容を決めておく契約です。公証役場で公正証書として作成する必要があります。

認知症・脳卒中・事故など、判断能力が低下したときに初めて効力が発生します。元気なうちは通常の生活を送り、必要になった段階で後見人がサポートを開始する仕組みです。

任意後見契約とセットで考えたい制度

任意後見とセットで考える制度図

任意後見契約は、他の生前対策と組み合わせることでより効果を発揮します。

  • 財産管理等委任契約:任意後見が発動するまでの間の財産管理を任せる契約
  • 死後事務委任契約:亡くなった後の手続きを任せる契約
  • 遺言書:財産の最終的な行き先を決める

この3つを組み合わせた「終活3点セット」が、老後の安心をもっとも手厚くカバーします。

任意後見契約の費用の目安

任意後見契約を締結するにあたって必要な費用は、大きく「公証役場手数料」と「行政書士報酬」の2種類に分かれます。

費用の種類 目安
公証役場手数料(公正証書作成) 約1万1,000円(基本)
登記嘱託手数料 1,400円
行政書士報酬(契約書作成・公証役場調整) 10万〜15万円程度

任意後見が「発動」した後、つまり本人の判断能力が低下して家庭裁判所に申し立てを行い後見が開始された後は、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」(弁護士・司法書士・社会福祉士など)への報酬が毎月発生します。監督人報酬の目安は月額1万〜3万円程度(管理財産額による)です。任意後見人本人への報酬は、契約で無報酬とすることも有償とすることも可能です。

法定後見との違い

法定後見との違い図
項目 任意後見 法定後見
開始のタイミング 元気なうちに準備 判断能力低下後に申立て
後見人の選び方 自分で選ぶ 家庭裁判所が選任
内容の自由度 高い(自分で設計) 低い(類型が決まっている)
費用 公正証書作成費用など 申立費用・後見人報酬など

法定後見は「すでに判断能力が低下してしまった方」のための制度。一方、任意後見は自分の意思が反映できる段階で準備するものです。

任意後見契約でできること

任意後見でできること図

財産管理

  • 預貯金の管理・入出金
  • 不動産の管理・賃貸契約
  • 株式・投資信託の管理
  • 税金・公共料金の支払い

身上保護

  • 介護施設・医療機関との契約手続き
  • 要介護認定の申請
  • 施設入居の手配
  • 日常的な買い物・生活支援の調整

ただし、医療行為への同意や遺言書の作成は任意後見の権限外です。医療に関する意思は「尊厳死宣言書」や家族への伝達で補います。

手続きの流れ

任意後見の手続きの流れ図
  1. 後見人候補者を決める:家族・知人・専門家から選択
  2. 契約内容を決める:財産管理の範囲・報酬など
  3. 公証役場で公正証書を作成:行政書士が同行サポートも可能
  4. 法務局へ登記:公証役場が手続き
  5. 判断能力低下時に発動:家庭裁判所が任意後見監督人を選任

よくある失敗と注意点

任意後見契約は、内容の設計を誤ると後々大きなトラブルや空白期間が生じます。実際によくある失敗と注意点を3つご紹介します。

① 「財産管理等委任契約」と組み合わせないと発動まで空白期間ができる
任意後見契約は、判断能力が低下してから家庭裁判所に申し立てを行い、監督人が選任されて初めて効力を持ちます。契約締結後〜判断能力低下〜申し立て〜選任までの間、財産管理を誰も担えない「空白期間」が生じます。この空白を埋めるために「財産管理等委任契約(移行型任意後見)」を同時に締結しておくことが重要です。

② 任意後見人の負担を考慮していない
家族(子・配偶者など)を任意後見人に指定した場合、実際に後見が始まると財産管理・身上監護の業務が大きな負担になることがあります。受任者となる方の了解を事前に十分取り、必要であれば専門家(行政書士・司法書士)を受任者とすることも選択肢のひとつです。

③ 内容が漠然としすぎて実務で使えない
「財産管理一切を任せる」という記載だけでは、実際の銀行手続きや施設入所の際に具体的な権限が不明確で断られることがあります。預金の引き出し・医療同意の権限・施設入所の判断など、具体的な権限の範囲を明記することが大切です。

まとめ:元気なうちに備えることが大切

任意後見契約は、判断能力があるうちにしか準備できない制度です。「まだ元気だから」と後回しにしていると、いざというときに選択肢がなくなってしまいます。

任意後見契約は、内容の設計から公証役場での手続きまでいくつかのステップがあります。ご不明な点があれば、当事務所の無料相談をご利用ください。宇都宮市内・栃木県内の方はご自宅へお伺いすることも可能です。

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よくある質問
任意後見契約と法定後見の違いは何ですか?
任意後見は判断能力があるうちに自分で後見人を選び、内容も自分で決められます。法定後見は判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選任する制度です。自分の意思を反映させたい場合は任意後見の検討をおすすめします。
任意後見契約はいつ効力を発揮しますか?
契約締結時ではなく、実際に判断能力が低下した後、任意後見監督人が家庭裁判所に選任されたときから効力が始まります。元気なうちに契約だけ結んでおき、必要になったら発動するという仕組みです。
任意後見人には誰でもなれますか?
家族・親族はもちろん、信頼できる友人や行政書士・司法書士などの専門家もなれます。ただし未成年者や破産者など一部の方はなれません。専門家に依頼する場合は費用が発生しますが、中立性が保たれるメリットがあります。

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この記事を書いた人

入江 紀子 入江 紀子 行政書士

相続・遺言・終活を専門に、栃木・宇都宮を中心に活動しています。「難しい言葉はできるだけ使わない」「急がない、急かさない」「ご家族の納得を一番にする」を大切に、あなたとご家族に寄り添うサポートを心がけています。
「こんなこと聞いていいのかな」と思うような些細なことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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