「財産目録って必要なの?」「名義変更って何をどこまでやればいいの?」――相続手続きを始めると、まず直面するのがこの2つの疑問です。
この記事では、宇都宮・栃木県内の実務をもとに、財産目録の作り方と、預貯金・株式・自動車などの主な財産の名義変更手続きを、わかりやすく整理してお伝えします。
財産目録(遺産目録)とは?

財産目録とは、被相続人が亡くなった時点で持っていた財産を一覧表に整理したものです。預貯金・不動産・株式・自動車・現金・貸付金など、すべての財産を漏れなくリストアップします。
なぜ財産目録が必要なのか
- 相続人間で遺産の内容を正確に把握するため
- 遺産分割協議をスムーズに進めるため
- 相続税申告が必要な場合の基礎資料になるため
- 各種名義変更手続きの準備資料になるため
✅ 財産の全体像が見えることで、相続の「漏れ」や「もめ事」の防止に役立ちます。
財産目録の基本構成
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 預貯金 | ○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号×××× |
| 不動産 | 宇都宮市○○町1-2-3(登記簿の表記どおり) |
| 株式・投資信託 | ○○証券 ○○ファンド 100口 |
| 自動車 | 車種:○○/ナンバー:宇都宮300あ12-34 |
| 現金・その他 | 手元現金、未回収貸付金など |
財産目録を作るときの注意点

- 正確な情報を記載する(特に口座番号や不動産の地番など)
- 漏れなくリストアップする
- 現金や少額の財産もきちんと記載する
- 評価額(相続税の申告が必要な場合)は税理士に確認
🔗 財産目録の作成と並行して、相続人調査も進めておくとスムーズです。
👉 相続人の調べ方と戸籍収集の基本|宇都宮市【相続手続き解説vol.1】
主な財産の名義変更ポイント

預貯金(払い戻し・名義変更)
- 銀行へ死亡を連絡し、口座凍結後に手続きを開始
- 相続人全員の合意(遺産分割協議書など)が基本的に必要
- 必要書類:戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書 など
株式・投資信託の名義変更
- 証券会社へ死亡届を提出し、口座をロックしたうえで手続きを開始
- 「名義変更(移管)」または「売却・換金」を選択
- 株式の名義変更には、相続関係書類一式が必須
自動車(相続による移転登録)
被相続人名義のままでは正式に運転や売却ができません。相続発生時には「相続による移転登録」を行い、新しい所有者へ名義変更する必要があります。普通車と軽自動車で手続き先と書類が異なります。
普通車(自家用乗用車など)
手続き先:管轄の運輸支局(陸運局)
主な必要書類
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 相続関係説明図(任意形式可)
- 遺産分割協議書(自動車を誰が相続するか明記)
- 車検証(自動車検査証)
- 新所有者(相続人)の印鑑証明書(発行3か月以内)
- 自動車税・自動車取得税申告書(運輸支局で入手・提出)
✅ ナンバー変更がない場合でも、名義変更手続きは必須です。
軽自動車(軽乗用車・軽トラックなど)
手続き先:軽自動車検査協会
主な必要書類
- 新所有者の住民票(発行3か月以内)
- 車検証
- 自動車検査証記入申請書
- 軽自動車税申告書
※ 軽自動車では、原則として遺産分割協議書や戸籍謄本の提出は不要です(書類のみで簡易に手続きできます)。ただし所有権留保が解除されていない場合などは別途書類が必要になります。
名義変更の基本ステップ
- 必要書類を揃える(被相続人の戸籍・相続人の書類・対象資産の関連書類)
- 各窓口に書類を提出する(銀行・証券会社・運輸支局など)
- 書類確認後、名義変更が完了する
注意しておきたいポイント
- 書類の有効期限(印鑑証明書3か月以内など)に注意
- 窓口によって独自の書式・要件があるため、事前確認を丁寧に
- 少額の財産も放置せず、早めに手続きを終えるのが安心
自動車の相続も「早めの名義変更」が安心
自動車は使用していなくても、名義変更を放置すると次のような問題が起こります。
- 正式な売却ができない
- 自動車税の納税通知が被相続人宛のまま届き続ける
- 事故時の保険請求や手続きで支障が出る
普通車・軽自動車のいずれも、できるだけ早めに名義変更を済ませておくことをおすすめします。
まとめ

相続手続きは、財産の全体像を把握するところからスタートします。財産目録をしっかり作成し、預貯金・株式・自動車などひとつひとつ名義変更を進めることで、スムーズな相続につながります。
不動産は2024年4月から相続登記が義務化されており、3年以内に登記しないと過料が科される可能性があるため、特に早めの対応が必要です。
Kanade行政書士事務所でも、財産目録の作成・名義変更に関するご相談を承っています。
👉 次回:遺言書があるか確認!相続手続きをスムーズにする方法|宇都宮市【vol.7】
📚 シリーズ目次:相続手続き解説シリーズまとめページ
よくある質問
相続での名義変更はいつまでにしなければなりませんか?
預貯金・株式・自動車などに法律上の期限はありませんが、不動産は2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。早めの手続きをおすすめします。
自動車の相続手続きはどこで行いますか?
普通自動車は管轄の運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きします。遺産分割協議書・印鑑証明書・車検証・自賠責保険証明書などが必要です。
名義変更に必要な書類は資産の種類によって違いますか?
はい、異なります。ただし「被相続人の戸籍謄本一式」「相続人全員の印鑑証明書」「遺産分割協議書」はほぼすべての手続きで共通して必要になるため、まとめて準備しておくとスムーズです。

