高齢者の一人暮らしが増える中、「もし自宅で倒れたら」「異変があったときに誰も気づかないのでは」という不安を持つ方が多くいます。そのような不安を解消するために活用できるのが「見守りサービス」です。
本記事では、見守りサービスの種類・特徴・選び方と、任意後見契約・死後事務委任契約との組み合わせ方を、宇都宮市のKanade行政書士事務所が解説します。
見守りサービスとは何か

見守りサービスとは、独居高齢者を中心に、日常生活の安否確認・異変の早期発見を目的としたサービスの総称です。
見守りサービスの主な目的は以下のとおりです。
- 孤独死の防止:自宅で亡くなった後、長期間発見されないという事態を防ぐ
- 緊急時の早期対応:転倒・脳梗塞・心筋梗塞などの際に早期に発見・救助される
- 生活状況の把握:日常生活の変化(食欲低下・活動量減少など)を早期にキャッチする
- 精神的な安心感:「誰かが見守ってくれている」という安心感が生活の質を向上させる
見守りサービスは本人だけでなく、遠方に住む家族にとっても「親の様子が定期的にわかる」という安心感をもたらします。
見守りサービスの種類と特徴

見守りサービスにはさまざまな種類があります。主要なものを表でまとめます。
| 種類 | 提供主体 | 特徴 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 訪問型見守り | 自治体・民生委員・NPO | 定期的に自宅を訪問して安否確認 | 無料〜低額 |
| 電話・メール型 | 自治体・民間企業 | 定期的に電話・メールで安否確認 | 無料〜月数百円 |
| 郵便局の見守りサービス | 日本郵便 | 郵便局員が月1回以上訪問・会話・生活状況を家族に報告 | 月1,650円〜 |
| 緊急通報システム | 自治体・民間企業 | 緊急ボタンを押すと警備員・救急に連絡 | 月1,000〜5,000円 |
| IoTデバイス型 | 民間企業 | センサー・カメラで生活パターンを監視し、異変時に家族に通知 | 月2,000〜1万円 |
| 配食サービス連携型 | 民間企業・NPO | 食事の配達時に安否確認を合わせて実施 | 食事代のみ |
| 地域コミュニティ型 | 自治会・近隣住民 | 近所の人が声かけ・郵便物の確認などを行う | 無料 |
それぞれにメリット・デメリットがあるため、生活スタイル・費用・緊急時の対応範囲を考慮して選ぶことが大切です。
宇都宮市・栃木県の見守りサポート

宇都宮市では、高齢者を対象にさまざまな見守り・支援サービスが提供されています。
地域包括支援センター
宇都宮市内の各区に設置されており、高齢者の総合相談窓口として機能しています。見守りに関する相談・地域のサービスの紹介・ケアプランの作成支援などを行っています。まず相談するなら地域包括支援センターへ。
宇都宮市の高齢者緊急通報システム
一定の条件を満たす高齢者単身世帯などを対象に、緊急通報システムの貸し出しが行われている場合があります。詳細は市の高齢福祉課または地域包括支援センターにお問い合わせください。
民生委員・自治会との連携
地域の民生委員が定期的に訪問・見守りを行う仕組みが多くの地域で機能しています。自治会に加入していない場合でも、地域包括支援センターを通じて連携を取ることができます。
栃木県全体では、県が推進する「地域包括ケアシステム」の一環として、市区町村・医療機関・介護事業所・地域住民が連携した見守り体制が整備されつつあります。
見守りサービスの選び方

見守りサービスを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。
① 生活スタイルに合ったサービスを選ぶ
外出が多い方には訪問型よりデバイス型が適しているかもしれません。スマートフォンに不慣れな方には電話型のほうがハードルが低いです。
② 緊急時の対応範囲を確認する
異変を検知した際に「家族に通知するだけ」なのか「警備員・救急に直接連絡するか」で対応速度が大きく変わります。
③ 費用と継続性を考える
一時的に契約できるかどうか・長期間継続できる費用かどうかを確認しましょう。自治体のサービスは費用が低く継続しやすいですが、対応できるサービスに限りがある場合もあります。
④ 家族への報告方法を確認する
遠方の家族に定期的に報告が届く仕組みがあるかどうかを確認しましょう。
見守りと生前対策の組み合わせ
見守りサービスは「今この瞬間の安全」を守るものですが、将来の備えとしては生前対策の契約と組み合わせることが重要です。
以下の「3つの契約」と見守りサービスを組み合わせることで、生前から死後まで一貫した備えが整います。
- 見守り契約:現在の健康・生活状況を定期的にチェックし、異変を早期に発見
- 任意後見契約:判断能力が低下した後に、財産管理・療養看護の代理を専門家が担う
- 死後事務委任契約:亡くなった後の葬儀・手続き・解約などの実務を委任
この3つを一括してサポートできる専門家・機関に依頼することで、何かあったときに連携した対応ができます。行政書士はこのうち任意後見契約・死後事務委任契約の書類作成と受任をサポートできます。
行政書士が関われる範囲

行政書士は、見守りサービスの提供そのものを行うことはありませんが、以下のサポートが可能です。
- 任意後見契約書の作成:判断能力が低下した後の対応を事前に決めておく契約書の作成
- 死後事務委任契約書の作成:死後の実務手続きを委任する契約書の作成
- 受任者としての対応:行政書士自身が任意後見受任者・死後事務受任者となり、見守り〜死後まで継続的にサポート
- 相談・情報提供:宇都宮市・栃木県内の利用可能なサービスに関する情報提供
宇都宮市のKanade行政書士事務所では、見守りを含む生前対策全般についてのご相談を承っています。「まず何から始めればよいかわからない」という方も、お気軽にご連絡ください。
見守りサービス選びのチェックポイント
見守りサービスを選ぶ際のチェックポイントをまとめます。
- 安否確認の頻度:毎日・週数回など
- 確認方法:センサー・訪問・電話・メール
- 緊急時の対応:駆けつけ・病院連絡・家族通知
- 費用:月額・初期費用・機器レンタル
- サポート範囲:生活相談・健康管理
ご自身の生活スタイル・健康状態・予算に合ったサービスを選ぶことが大切です。地域包括支援センターでも無料の見守り相談を受け付けています。
よくある質問
見守りサービスはいくらくらいかかりますか?
費用はサービスの種類によって大きく異なります。自治体の見守りサービスは無料〜月数百円程度のものが多く、民間企業のサービスは月2,000〜1万円程度が目安です。緊急通報ボタン付きのデバイス型は月1,000〜5,000円程度です。栃木県・宇都宮市の利用可能なサービスは地域包括支援センターに相談するとよいでしょう。
見守りサービスを契約するだけで十分ですか?
見守りサービスはあくまで「異変を早期発見する」仕組みです。判断能力が低下した後の財産管理には任意後見契約、死後の手続きには死後事務委任契約が別途必要です。見守り契約と生前対策の契約を組み合わせることで、生前から死後まで一貫した備えができます。
家族が遠方にいる場合、誰が見守りを担当すればよいですか?
家族が遠方の場合は、地域包括支援センター・民間の見守りサービス・近隣の知人・民生委員などと連携することをおすすめします。また、行政書士・司法書士などの専門家と任意後見契約を結び、日常的な見守りも含めてサポートを依頼することも選択肢の一つです。

