財産が少なくても遺言書が必要な意外なケース【遺言教室vol.5】

財産が少なくても遺言書が必要な意外なケース【遺言教室vol.5】

2025年1月19日

栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所です。これまで多くの方から遺言に関するご相談をいただいてきましたが、その中でよく耳にするのが、こんなお言葉です。

「私には大した財産がないから、遺言なんて必要ないですよね?」

確かに、遺言書は資産家や事業をしている人だけのもの、というイメージをお持ちの方は少なくありません。ですが、実は遺言書が本当に役立つのは、「普通の生活」をされている方こそなのです。この記事では、宇都宮でよくあるご相談をもとに、財産が少なくても遺言書を残しておいた方がよい理由や、見落とされがちな具体的ケースについて解説していきます。

「財産が少ないから、もめない」は本当?

「もめごとは、お金持ちの家だけの話」と思われがちですが、実際には遺産の額に関係なくトラブルが起きることがあります。むしろ、資産が限られている分、「誰がどれだけ受け取るか」で感情的な対立が生じやすいのが現実です。
たとえば以下のようなことが原因になります。
・長男が親の介護をしていたが、兄弟で分けることになって不満が出た。
・金額にするとわずかな財産だが、形見や思い入れのあるものをめぐって口論に…
・法定相続では分けにくい不動産や車をどうするか決まらず、手続きが止まる。
こうしたケースでは、遺言書があることで「故人の意思」として明確な方針が示され、無用な争いを避けられます。

実は「これも対象」?見落としがちな遺産の種類

財産というと「高額な預金」や「マンション」といったイメージを持たれやすいですが、実際には遺言の対象となるものは意外と多く、以下のようなものも含まれます。
・ご自宅などの不動産(古くても価値がある場合も)
・普通預金口座(生活費程度でも名義変更の手続きが必要)
・家具、家電、思い出の品(誰に渡すか指定が可能)
・ペット(誰に託すか、費用はどうするか)
・生命保険金の受取人指定(遺言による変更も可能)*

遺言書に「なぜその人を受取人にしたのか」といった理由や感謝の言葉などを付言事項として書き添えることで、他の相続人とのトラブルを防ぐ効果もあります。

*生命保険の受取人は、生前に契約した内容に従って、特定の人に支払われる仕組みです。これは一般的に「受取人固有の財産」とされ、相続財産とは別に扱われます(民法の解釈・判例による)。一方で、保険法第44条により、遺言書によって生命保険の受取人を変更することは法律上「有効」とされています。ただし、契約している保険会社の規約によっては、遺言による変更が認められない場合や、特定の条件がある場合もあるため、事前に保険会社へ確認しておくことが重要です。

よくある「遺言が役立つ」意外な場面

ここでは、宇都宮市で実際にあったご相談を参考に、遺言書が特に意味を持った意外な事例をご紹介します。

● ケース①:仲の良い兄弟でも「言った・言わない」が発端に

相続人が兄弟姉妹しかいない場合、「誰がどれを受け取るか」は明確にしておかないと、後から不信感が生まれることがあります。
遺言書があれば、故人の希望として納得感のある分配が可能になります。

● ケース②:思い入れのある家を、ある人に残したかった

古くから住んでいたご自宅。相続人の1人がその家を大切にしていたにもかかわらず、遺言がなかったために全員の共有名義に。結果的に売却せざるを得なかった、という事例もあります。

● ケース③:「この人に渡したい」が法律だけでは叶わない

内縁の配偶者や、血縁のない大切な友人など、法定相続人ではない人に何かを遺したい場合、遺言がなければ何も渡すことができません。

宇都宮の行政書士が伝えたい、「遺言の本当の価値」

栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所では、遺言書のご相談をお受けする際、「財産の額ではなく、想いの整理をお手伝いする」ことを大切にしています。「こんなに少ない財産なのに遺言なんて…」ではなく、「少ないからこそ、きちんと渡したい人に渡すために」そう考えて、遺言書の作成に踏み切る方も多くいらっしゃいます。

どんなタイミングで遺言を考えればいい?

遺言書を作成する時期に「早すぎる」ということはありません。以下のようなきっかけがあれば、遺言作成を検討するのに良いタイミングです。
・体調に不安を感じ始めた
・財産や身辺の整理を始めたいと思った
・相続人が限定的、またはまったくいない
・特定の人に渡したい物がある
・過去のご相談で、相続トラブルを見聞きしたことがある
宇都宮市内でも、そうしたきっかけからご相談に来られる方が増えています。

まとめ|遺言書は「誰でも必要になるかもしれない」もの

「自分には関係ない」と思っていても、いざ相続の局面になると困るのは、遺された人たちです。

遺言書は、もめごとを避けるための備え、想いを形にするツール、ご家族への「安心のプレゼント」として、金額の大小に関わらず、多くの方にとって大切な手段となります。「私の財産なんて…」と感じていたとしても、ぜひ一度、遺言について考えてみてください。


■ 宇都宮で遺言作成をお考えの方へ
栃木県宇都宮市のKanade(かなで)行政書士事務所では、初回のご相談を無料で承っております。
財産の大小にかかわらずご本人の意思が大切にされるよう、丁寧にサポートいたします。
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よくある質問

財産が少なくても遺言書は必要ですか?

財産の額に関わらず遺言書が役立つケースがあります。例えば、相続人が多い・疎遠な親族がいる・特定の人に感謝を伝えたいなどの場合です。財産整理だけでなく「想いを伝える」手段としても有効です。

遺言書に財産以外のことも書けますか?

はい。「付言事項」として家族へのメッセージや想いを自由に書くことができます。法的効力はありませんが、残された家族への大切な言葉を残せます。

借金がある場合も遺言書は書けますか?

書けます。ただし借金(マイナスの財産)も相続の対象になります。相続放棄や限定承認の検討も含め、遺言書の作成と並行して専門家に相談することをおすすめします。

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この記事を書いた人

特定行政書士 入江 紀子

栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。