行政書士がすすめる遺言書の書き方|家族に想いを残すための基本

行政書士がすすめる遺言書の書き方|家族に想いを残すための基本

2026年1月19日

行政書士がすすめる遺言書の書き方― 家族に想いを残すための基本 ―

「遺言書はお金持ちが作るもの」「まだ元気だから必要ない」そう思われる方も少なくありません。しかし実務の現場では、
遺言書があるだけで相続の難易度が大きく下がるケースを数多く見てきます。

この記事では、行政書士の立場から、家族のために残す遺言書の基本的な考え方を整理します。


遺言書が果たす本当の役割

遺言書は、単に「財産の分け方を書く書類」ではありません。
・家族への配慮
・これまでの感謝
・なぜその分け方にしたのか
といった想いを伝える手紙のような役割も持っています。

そのため、内容次第で、相続人の納得感や争いの起きやすさが大きく変わります。


遺言書がある相続・ない相続の違い

自筆証書遺言と公正証書遺言の書き方比較図

遺言書がない場合、多くの場合は、法定相続分が基準となり、相続人全員の話し合いが必要です。そのため、場合によっては、合意がまとまらず手続きが進まない。という状態になります。

一方、遺言書があれば、被相続人の意思が最優先されるため、分割方法が明確となり、手続きが比較的スムーズというメリットがあります。


行政書士がすすめる遺言書の基本ポイント

遺言書の書き方で押さえるべきポイント一覧

① 財産を具体的に書く

「預金」「土地」などの曖昧な表現ではなく、
・金融機関名
・支店名
・不動産の所在地
など、特定できる形で記載することが重要です。


② 誰に何を渡すかを明確にする

相続人が複数いる場合、氏名、続柄を正確に書きましょう。「あの子」「長男」などの表現は避けます。


③ 理由や気持ちも添える

法律上必須ではありませんが、「なぜこの分け方にしたのか」を一言(付言事項))添えるだけで、受け取る側の受け止め方は大きく変わる場合が多いです。

付言事項の役割と記載例の図解


④ 形式を守る

自筆証書遺言の場合、
・全文自筆
・日付
・署名
・押印
など、法律で決められた形式があります。形式に不備があると、無効になる可能性もあります。


よくある失敗例

遺言書の書き方でよくある失敗例の図

実務では、まれに、日付がない、署名がないや内容が曖昧、財産が特定できないなど遺言書も見かけます。「書いてあったのに使えなかった」という事態は、家族にとって大きな負担になります。


行政書士が関わる意味

専門家に遺言書作成を依頼するメリット図

行政書士は、
内容の整理
表現の確認
形式チェック
相続全体との整合性確認を通じて、

「使える遺言書」

になるよう支援します。登記や税務については、司法書士・税理士など他の専門職と連携して進める場合があります。


まとめ

遺言書は、財産を分けるためだけでなく、家族を守るための書類でもあります。完璧である必要はありません。

「自分の考えを残す」ことが、家族への最大の思いやりになることもあります。

よくある質問

遺言書を書くのに適した年齢はありますか?

法律上は15歳以上で作成できます。ただし実務上は判断能力が十分にある健康なうちに作成することが重要です。「70歳になったら作る」などと後回しにせず、思い立ったときに動き始めましょう。

遺言書の内容は家族に伝えておいた方がよいですか?

ケースバイケースです。内容を知らせることで事前に家族間の合意を得られる利点がある一方、内容を知った家族が遺言書の変更を働きかけるリスクもあります。担当した専門家と相談して判断しましょう。

遺言書は一度書いたら変えられませんか?

いつでも変更・取り消しができます。新しい遺言書を作成することで古いものは上書きされます(新しい遺言が優先)。生活環境・財産・家族状況の変化に応じて定期的に見直すことをおすすめします。

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この記事を書いた人

特定行政書士 入江 紀子

栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。