「人生100年」と聞けば、かつては夢のある言葉のように感じたものです。けれども、その長さが必ずしも幸せに直結するわけではない…そんな現実を、私たちは少しずつ実感し始めています。
書籍『ライフ・シフトの未来戦略』は、長寿化社会における“これからの生き方”を改めて問いかけてくれる一冊でした。この記事では、行政書士として、そして地域に根ざして暮らす一人としての視点から、この本を読んで感じたことをお届けしたいと思います。今を生きる私たちにとって、何が必要なのか、一緒に考えていけたら嬉しいです。
目次
「長く生きる=豊かに生きる」ではない現実
平均寿命が延び、90歳を超えて生きることも珍しくない時代になりました。しかしその一方で、健康や経済、そして人とのつながりに不安を感じる方も少なくありません。生きる年数が増えるほど、「どのように生きるか」という問いが深まっていくように感じます。
書籍『ライフ・シフトの未来戦略: 幸福な100年人生の作り方』を読んで、特に心に残ったのは、「個人の努力だけでは限界がある」というメッセージでした。人生後半を安心して過ごすためには、社会全体としての支え合いがよりいっそう大切になることを、あらためて考えさせられました。
必要なのは「個人の努力」だけでなく「社会のシステム改革」
『ライフ・シフト』が提案するマルチステージ型の人生観は、多くの方々に影響を与えましたが、それだけでは現実の課題に応えるには不十分かもしれません。著者が伝えるように、企業や行政の制度づくりが伴わなければ、誰もが自由に人生を選び取ることは難しくなってしまいます。
「引退年齢の引き上げ」や「紙おむつ」の話題にとどまらず、人生の後半戦をよりよく生きるための環境整備が、いま求められているのではないでしょうか。
高齢化にどう対応するか──“エバーグリーン”という発想
日本は世界有数の長寿国でありながら、同時に高齢化が急速に進んでいる現実も抱えています。書籍の中で印象的だったのは、「シルバー・エコノミーから、エバーグリーン・エコノミーへ」という提案でした。これは単に高齢者のニーズに応えるという枠を超えて、誰もが健康で、長く、社会に関わり続けられる未来の姿です。
働き方の見直しや予防医療の推進、若い世代への投資も含め、長寿化社会の中で企業や行政が果たす役割はますます大きくなっています。私たち一人ひとりの意識の変化も、その未来を後押ししていくことになるでしょう。
「長寿の配当」を受け取るために、今できること
著者は、本書のテーマをもとに「長寿研究所」の設立にも取り組んでいます。長く生きることを脅威ではなく希望ととらえ、その時間をいかに豊かに使うか——そのための具体的な行動が求められているのだと感じます。
行政書士という立場からも、人生後半の備えをサポートできる制度や手続きは多くあります。遺言、任意後見、死後事務など、法的な備えを整えることは、安心してこれからを生きるための「自分らしい選択肢のひとつ」です。皆さまがそれぞれの「豊かな老い方」を描けるよう、これからも寄り添ってまいりたいと思っています。
「人生が長くなる」ことは、祝福すべきことでもあり、同時に丁寧に向き合うべき課題でもあります。けれども、今から少しずつ備えていけば、その長寿を「幸せ」と感じられる未来は、きっと実現できます。
この本を読みながら、私自身も「豊かさとは何か」「どのように生きていきたいか」と、改めて考える時間を持つことができました。高齢者ご本人も、ご家族の皆さまも、これからの「老い方」について、ぜひ一緒に考えてみませんか?
行政書士として、皆さまの人生に寄り添いながら、一歩ずつ一緒に歩んでいけたらと思います。
よくある質問
終活はいつ始めればよいですか?
「早すぎる」ということはありません。50〜60代から少しずつ準備を始めることで、精神的な余裕をもって取り組めます。特に遺言書・エンディングノート・財産整理は早めに始めるほど効果的です。
エンディングノートと遺言書はどう違いますか?
エンディングノートは自分の希望・連絡先・想いを書き留めるもので法的効力はありません。遺言書は財産分配などについて法的効力を持つ文書です。両方を組み合わせると、より丁寧な終活の準備ができます。
終活の準備として最初に取り組むべきことは何ですか?
財産の棚卸し(持っているもの・負っているものを整理)から始めましょう。次にエンディングノートへの記入、そして遺言書の検討という流れがおすすめです。
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この記事を書いた人
特定行政書士 入江 紀子
栃木県・宇都宮市に拠点を置く相続・遺言・終活専門の行政書士事務所。難しい法律を分かりやすく伝えることを大切に、地域の方々の「想い」を形にするお手伝いをしています。

